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【営業の教科書NO.69】コールドリーディング

〜今日のポイント〜

・コールドリーディングとは会話術の1つで、相手の外見を観察したり、相手に当てはまることを話すことで事前準備なしに「この人は私以上に私を知っている」と信用/信頼させるための技術

〜具体的な例〜
●あいまい表現:誰にでも当てはまるよう抽象度をあげて伝えるテクニック
●不満訴求:占いに来る・打ち合わせができる時点で何かに”不満”を持っていることが多いので、その不満を感じていることをほのめかすと相手がのってくる糸口
●虹色の戦略:「あなたは〜という部分もあれば、逆に〜という部分もありますね」と対局のことを指摘する
●ジェイクイーズ・ステートメント:誰もがぶつかる人生共通の問題について語る
●隣の芝生:選ばなかった人生への未練を利用する
●バーナム・ステートメント(バーナム効果):『バーナム・ステートメント』は、大多数の人が「自分のことだ」と思う一般的なことを話すテクニック
●自己重要感の肯定:相手が持つ「自分は重要な人物である」という心理を刺激するテクニック
●ダブルバインド:こちらから事前に選択肢を提供することで、相手に意思決定をさせないテクニック(AorBで質問する)
●否定的な反応だったときの対処:「あなたは気づいていないが私にはわかっている」

〜ラジオ内容はこちら〜

今日はコールドリーディングということで話をさせてもらいたいと思っています。コールドリーディングを聞いたことがある人もない人もいると思いますが、占い師さんとかが使っているアプローチです。

占い師さんは占いの質がどうこうより、相手に信用してもらう、信用を確保してもらうことがすごく大事なので、これは営業にも通じる部分です。私のことをわかってもらえているなあとか、私のことを受け入れてくれているなあという感覚を相手に与えるための会話術がコールドリーディングと呼ばれる部分です。

具体的にコールドとは何かと言うと、事前準備なしにということです。営業がやるのはホットリーディングが多く、事前準備をしたり調べたりした上で相手と会話をしていくことが一般的で、できる限りやっていくということですが、営業のコールドリーディングとは飛び込みやテレアポですので、そういうときに使える話術、会話術です。

占い師さんで考えていただくと、誰が来るか事前にわからないケースのほうが多いです。街角や、銀座の通路のちょっと裏に入ったところでやっている占い師さんは事前予約が一切ありません。突然来た人に対してああこの人は私のことをわかっている、と思わせるのがコールドリーディングと思ってもらえると良いかなと思います。

心理学でも結構紹介されているので、けっこうやり方があります。それを今日、具体的な例として9個語らせてもらっています。最後のものはちょっと違うので8個、いろいろ調べていくとやり方があるので、悪用厳禁、表現を決める本として紹介されているものもありますが、一例としてお客さんとの関係値を引き上げていく、信頼してもらうトークということでお伝えしていきたいと思います。

◆ポイント①あいまいな表現

具体的な例で見ていくと一つ目はあいまいな表現ということです。誰にでも当てはまるようなことを伝えることによって、私のことをわかってもらえているなと思わせる手法です。例えばあなたは成長力が高いですね、あなたはお金を稼ぎたいんですよね、あなたって優しいですよね、とか、要はわかっているのかわかっていないのかわからずに、大体の人がそれを言ってもらえたらうれしいとか、私に当てはまるなあというケースです。

占い師さんでいくと、例えば女性の人が来て、今日は何のご相談ですか?というときに恋愛のご相談ですよね、と言う。占いの看板の中に恋愛相談と書いてあったら、恋愛を相談しに来ているに決まっています。そういうふうにふわっとした質問を投げかける形にして、相手にわかっていますよ、と言ってあげるようなケースがこの曖昧な表現です。企業さんに対して、相手側に対してもそんな感じで、誰にでも当てはまるような話を一個してあげることがあいまいな表現です。

◆ポイント②不満訴求

2つ目は不満訴求です。人生順風満帆で幸せです、悩みも何もありません、という人は基本的に占いに来ません。営業においても、商談設定ができるとか打ち合わせができるということはなにか不満があるはず。本当に暇で呼んだというケースもなくはないですが、何かしら不満を抱えているケースが多いので、不満をほのめかす話をしてあげる。例えばもっと良い人材が採用できたら良いですよね、ということは大体の人が当てはまります。採用担当にはこういった当たり前のこととかをその状況から不満を訴求していくというところです。

例えば保険の営業で売り込みをしていて飛び込みで入りました、というときに、今状況が変わっているので保険はよくわからなくなっていますよね、とか、相手側の不満とか不安とかをほのめかすことをきっかけにしてアプローチするトークをするとかです。結局コールドリーディングというのは何かしらをきっかけにして、あなたのことをわかっていますよ。だから信頼してくださいね、ということを伝えていくトークなので、それを糸口として使うやり方をしていきます。

◆ポイント③虹色の戦略

3番目は誰がこんな名前をつけたのかわかりませんが、虹色の戦略です。あなたって●●みたいな部分もあるけれど、☓☓みたいな部分もありますね、という形で、真逆のことを言えば誰にでも当てはまるというトークです。本当に真逆のことを言ってあげるアプローチなので、あなたって真面目な側面もありますがそれだけに没頭してしまうところもありますよね、というところで、まあそれはそうでしょうとかを言っているのがこれです。

占い師さんの悪口を言いたいのではなく、そういうトークを悪用している人もいるのでそういう話はやめましょうですが、こういうことをきっかけにして会話をしていく、あなたは思いやりのある性格ですがたまに自分勝手になってしまうときもありますよね、みたいな形でどっちやねんという会話をするのが虹色の戦略です。恋愛や営業でも同じで結局どっち?みたいなことを言うようなケースです。

◆ポイント④ジェイクイーズステートメント

4つ目はジェイクイーズステートメントです。誰もがぶつかる人生共通の問題について語ると、人生の問題でなくてもいいですが、誰もがぶつかるポジションにいたり、その役職にいたりするとき、または状況からするとみんなに当てはまるようなことを言ってあげることです。例えばみんな効率的に仕事ができたほうがいいですよね、とか、やりたいことを仕事にしたほうが楽しいですよね、とかもっと稼ぎたいですよね、とかもう少し早く帰れないですかね、みたいなこととかです。これも私のことをわかっていてもらえると思ってもらうために、今までのような状況なら誰にでも当てはまるようなトークをしておくことです。

◆ポイント⑤隣の芝生

次は隣の芝生です。人生の未練を利用します。話をするとよろしくないみたいな話になってしまいますが、例えば転職をした人はやっぱり前の会社のほうが、みたいなことを言ったりして、たしかにそういう選択肢もあるなあと思わせてしまうケースです。例えば起業をしている人に、今起業をしていると本当はね・・・と言って、やっぱりそうだったんだ、と思う人がいるという感じです。

◆ポイント⑥バーナムステイトメント

次はバーナムステイトメントです。バーナム効果とも呼ばれている部分ですが、その人が自分のものだと思っているような一般的なテクニック、これはあいまい表現や不満訴求と近い部分で、ジェイクイーズステートメントとも近い感じですけれど、基本的には自分たちのことを思ってアプローチになるみたいな感じで、万人に当てはまるような事を言ってあげる。よくあるのが、自分の能力を最大限に活かすことができていないんじゃないですか?と言うと、たしかに、とみんな言っちゃうんです。周りは全然あなたのことを理解しきれていないですよね、と言うと、確かに、と思わせるトークです。

◆ポイント⑦自己重要感の肯定

次は自己重要感の肯定ということであなたは重要な人ですよ、自分が重要であるということをちゃんと伝えてあげる、ということです。責任感がありますよねとか、愛情深いですね、優しいですねみたいな形でその人をしっかり肯定してあげる形になります。

◆ポイント⑧ダブルバインド

ダブルバインドは、AorBの質問をしましょうというところの話ですが、やるかやらないかの判断を相手にゆだねるのではなく、やる前提で次の話をしてしまうというところもコールドリーディングの方法です。選択肢を先に提示してくれている、私のことをわかって言ってくれている、という形にすることです。

◆今日のまとめ

あくまでも今お話したのはあなたのことをわかっていますよ感をどれだけ出すのかという話です。否定的な反応が出てきたときにはあなたは今気がついていないですが、世の中的にはこうなっていますよ、私にはわかっていますよ、みたいな形で対処していく、というところがコールドリーディングについていろいろ調べていくと出ているところです。

なんか詐欺師のようなトーク例ですが、これをやりましょうというわけではなく、相手との関係を気づいていく上でちゃんとわかっていますよと伝えることはすごく大事なことだと思うので、こういう方法もあるということをちょっと理解してもらいながら悪用厳禁というところでございます。活用しながらお客さんとの関係づくりに生かしていただければいいなと思ってコールドリーディングについてご紹介させていただきました。

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