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【個人開発】AITuberの手紙を封蝋し、ファンに発送してみた

AIに配信をさせる『AITuber』を作ってから、早四か月弱が経過した。

この後、コミュニティを作ったりLTに登壇したり主催したり色々やったわけだが、結果として今自分が辿り着いた場所は「手紙と封蝋」だった。

AITuberはVTuberの文化を一定受け継いでいるので、やはり配信が多い。
コメントをプロンプトと共にChatGPTのAPIに読ませ、対話結果を配信ソフトに載せれば良い。
ただ、皆やっているから他のこともやりたくなった。折角「AITuber」の定義がまだ皆の中で確立していないのだから何をやっても良い。そう思っていたら、少し面白いものを見つけた。

シーリングスタンプ

シーリングスタンプといって、手紙の封をするときに蝋で封をする道具らしい。ちょっと面白そうなので、買ってみて使い方を考えてみた時に「せっかくAITuberを持っているなら、彼女に手紙を書かせてみよう」と思い立った。

主な流れ

  1. テスターを公募、手紙のテーマを貰う

  2. テーマに合わせて文章を生成

  3. 手紙の封筒などを準備

  4. おまけでつける写真をStableDiffusionで生成し写真印刷

  5. 生成した文章を印刷

  6. 準備した封筒に手紙と写真を入れ封蝋

  7. 封蝋した封筒を茶封筒に入れ、投函

テスターを公募、手紙のテーマを貰う

今回は3人テスターを募集しリクエストを貰い、そのリクエストで文章を書いてもらうことにした。


少しだけ技術的な話をすると、自分のAITuberである「さくら」はAPIを用いず、自分のPCで計算をすることで回答を生成する仕組みになっている。自分は"rinna/japanese-gpt-neox-3.6b-instruction-ppo"を、LoRAチューニングしているが、これはOpenCalmでも良い。

以下のように生成文を作ることができる。

最近は掃除も料理もロボットができるようになってきてるって聞いたんだけど、まだ一部の作業とかは人間が必要とされるみたい。家事とか、人によるサービスが必要なものってAIがやるには少し難しそうだからなそうなって欲しいな。

封筒等の準備、テキストの印刷

文房具店でレターセットを購入。本当はレターセットの便箋に印刷したいが、プリンタを持っていないので断念。封筒のみ使用する。封筒はそのままだとB5の紙が入らないので適宜切る必要がある。

写真は最初のテストで印刷したもの。今回のテスターに送った文章は非公開です。

おまけでつける写真の作成、印刷

StableDiffusionで写真を生成し、印刷する。普段は16:9が一般的だが、今回はL版の比率にする必要があるため、解像度に注意する必要がある。大体一枚80円くらいでネットプリントができる。

準備した封筒に手紙と写真を入れ封蝋

それぞれの封筒に手紙と写真を入れたら今回のメインである封蝋を行う。
封蝋は二種類やり方があり、シーリングワックスを固めた後に両面テープでシールにする方法と直接封筒に垂らす方法がある。今回は直接封筒に垂らす方法にした。封筒に垂らす方法は一発勝負で取返しがきかず、何回も行って良いものを選べるシールに比べて不格好になりやすい。とにかく綺麗な形を使いたい場合はシールの方が良いと思う。

やることとしては「ワックスを溶かす」「溶かしたワックスを封をしたいところに垂らす」「スタンプする」「色付け」の四つ。封筒に垂らした後、シーリングスタンプのデザインが見えやすくなるように油性ペンで色を付ける。細かい部分に色を付ける時に油断するとデザインが壊れてしまうので注意する。写真にある例だと左側の狐の方が直線が多くてやりやすく、右側の兎は桜の部分がかなり難易度が高かった。


投函

この封筒に宛名を書いて投函もできるが、なるべく封筒には人の書いた文字を入れたくなかったので、さらにこの封筒を茶封筒に入れ投函することにした。配送先をDocsで書き印刷、糊で貼り付ける作業が追加で発生したので、拘りがなければそのまま封筒に宛名を書いた方が良い。

感想

以上手順でAITuberの手紙を投函することができた。
原価は数百円程度だが、とにかく手間がかかる。特にプリンタを自宅に持っていないと致命的で、何度もコンビニを往復することになること、紙の自由度が極端に下がることになる。同じ作業を行って一通3000円で売れるとしても、正直時給換算すると厳しい。

ただ、封蝋をしたりレターセットのデザインを選ぶ作業はとても楽しかったし、何より「AIキャラクターが手紙を出す」という試みができたのはとても楽しかった。もし気になる方がいるなら是非やってみてほしい。

自分は池袋にある実店舗で店員さんに聞きながら買った。

以下はアソシエイトリンクなので読まなくて良い。始めたい人は参考にしてほしい。

アソシエイトリンク

これだけあれば蝋が足りなくなることはないと思う。最初買わないで後悔したメルトポット(蝋を入れるスプーンを台において溶かせる)がセットに入ってるのが良い。スタンプヘッドと持ち手を別で買う必要があるので注意。

こっちは封筒、四種類のスタンプヘッド、持ち手もついているので、これさえ買えば不自由なく遊べるはず。上に比べると若干高いが、これだけ蝋が沢山あってヘッドも四種類ついているなら普通にお買い得だと思う。


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