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心を込めて。

結果を残している経営者やリーダーや思想家の方々の書籍を読んでいると、必ず歴史の話や歴史上の人物を語ることが多い。

自分は特に歴史が好きなわけでもなく詳しくもなかったのですが、指導者や教育者に必要な要素として歴史や古典は知識や教養を養い見聞を広げるにはとてもよい教材であると教えられ、感銘を受けた方が勧める書籍は必ず読むようにしています。

先日読んだ橋本左内氏の『啓発録』を読んで、その関連として出会った本が、

山岡鉄舟著、『修養訓』です。

山岡鉄舟という方も恥ずかしながら、今まで存じ上げませんでした。

調べてみるとやはり山岡鉄舟氏も偉大な方で、剣・禅・書を極めたの達人であり、坂本龍馬と同じ時代を生き西郷隆盛と勝海舟を引き合わせ、明治になると明治天皇の教育係をするなど、明治においてとても重要な人物であったとのこと。

鉄舟氏の『修養訓』は、剣・禅・書の達人であるからか、さすがとても広い視野の言葉が多く、まんべんのない教えが書かれています。

自然と一体になる。
どれだけ自分に厳しくできるか。
技を磨き、心を磨く。
ブレない軸や忍耐と根気。
刀には心が映る。
学びを実践する。
自由な心で向き合う。
実地と理論を一致させる。
人を変えようと思うならまず自分から。
よき師を持つ幸せ。
執着を捨てる。
始めを大切にする。
しなやかに立ち向かう。
清く静かな心を養う。
守りをしっかり固める。
やるべきことに徹する。

など、沢山の教訓を書かれているのですが、読んで強く感じたのが鉄舟氏は《心》をとても大切にしているということです。

『修養訓』の一文、

【まごころの、ひとつ心の、こころより、よろづの事は、なり出にけむ。】

(すべてのことは、自分の心から生まれ出てくるものだ。)


すべての行いは心から発する。

そして《何事にも心を込める》ことも説いています。

【一心に心を込めて修行をしなければ、何十年修行したところで決して自分のものにはならない。
いくら時間をかけても心がこもっていない修行を何年したところで何も得られない。
仕事でも、大小を問わず大切なのは心。
どんな仕事であれ大切なのは、体と心を一つにして取り組むこと。
だから何をやるにも心を込めてやること。】


また、鉄舟氏の面白く凄いところは、勝海舟氏いわく「馬鹿さ」にあるといいます。

「馬鹿になる」ことができる素直を持っている。

はっきりとは書かれていませんが、きっと、忍耐忍耐!といった真面目で固い人物ではなく、時には馬鹿になれる豪快さも持ち合わせていた方なのかなと感じました。

メリハリが効いていそうな印象です。
書いている内容も、両極端な教えもありますが本質はどちらも大切で変わらない。

攻めが大事だと書いているが、守ることも大事だと書いていたり。

きっとユーモアもあったのだろうなと感じます。


偉人や先人の書籍を多く読むようになり、以前とは違うことを感じるようになりました。

以前はやはり故人の言葉というか《先人の教え》という印象が強くあったのですが、最近では《この方々がいたからこそ、今の日本があり今自分が暮らしている生活があるんだな。確実にこの方々は生きていたんだ。》という《実感》のようなものが湧いてきました。

過去と現在は確実に繋がっているという実感でしょうか。

単なる昔の人ではなく、実際に生きて実践されていた生き方が書かれてあるんだなと思えるようになりました。

そう思うと、以前よりも言葉や書かれていることが深く突き刺さります。
そして畏敬の念を感じます。

まだまだ知らないことや学ばなければならない、いや学びたいことが沢山あります。

より見聞を広めてゆこうと思います。
丹念に心を込めて。


松岡眞吾

2023年4月26日

https://www.shingo-matsuoka.com/

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