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【特集】バスケの応援を吸収する-熊本ヴォルターズのゲームを観戦して-

2023年12月30日。
今年もあと僅かとしたこの日、私は熊本県へ向かった。
熊本県立総合体育館は年の瀬にもかかわらず、老若男女問わず多くの人たちで溢れていた。
熊本ヴォルターズvs福島ファイヤーボンズ。
サク来は生まれて初めて生でバスケを見た。

体育館の入り口から人でごった返しており、中に入るとさらに密になった。
グッズ売り場の列は売り場の外まで続き、入場ゲートの列と重なりそうな勢いだった。

入り口でチケットを機械に翳し入場すると、藤崎台でも見かけるハミおさんが声をかけてくださった。
コートでは鉢巻おじさんが観客を煽っており、普段藤崎台でお見かけする人の意外な一面を見た気がした。

桜十字の看板の奥が

コートでは両チームの選手がウォームアップしており、1階席は年の瀬にも関わらずファンが埋め尽くしていた。
座った席はコートの入り口から反対側。
少し右に行くとDJブースがあった。

試合になると数種類の手拍子パターンで応援が行われた。
自軍ボール時・相手ボール時で応援パターンが変化し、とても興味深かった。
応援を扇動するのはDJの仕事らしく、切り替えも早い。
例えば、相手チームが持っていたボールを自軍が奪い取ったとする。
するとDJはすぐに自軍ボール時のパターンに移行する。
バスケは野球とは違って攻撃・守備がめくるめく変化するため、一瞬の間に起こったプレーを理解しなければならない。
また違った難しさがあることがわかった。

試合は2q以降ヴォルターズが福島を圧倒し、101-87で勝利した。

応援スタイルについてはファンがDJの流す応援パターンに合わせる手拍子のほかにホーム側の席に座るジャンボメガホンで大声を出すファンたちがいた。
よく見ると酒カスのとおるさんが精一杯声を張っていた。
体育館の近所に住んでいるため、開始早々酔っ払っていたとおるさん。
楽しそうな笑顔は藤崎台で見たものと同じだった。

応援団という概念自体が存在せず、チーム主体で創られる応援は野球・サッカーでは敬遠されがちなものだ。
しかし、Bリーグという新しいスポーツにおいては初めて見る人でもわかりやすく明確な答えがあるため、大いに効果を発揮していると感じた。

相手のフリースロー時に"make some noise (騒げ)"のアナウンスと共に客席から妨害の音を鳴らし、プレイヤーの集中を途切れさせるのには驚いた。

今回の観戦で同じ熊本のスポーツチームだが応援の観念が異なることがわかった。
藤崎台と体育館に来る人は同じ応援でも全く違うものを吸収しており、より幅が広がるのではないのかと考える。
ヴォルターズの応援には試合の勝ち負けだけでなく、純粋な楽しさを求める人が多いこともわかった。

今年の火の国にも活用できるポイントはあった。
次観戦する機会があれば、今度はとおるさんの近くで声を出したい。

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