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映画日誌’21-09:世界で一番しあわせな食堂


trailer:

introduction:

アキ・カウリスマキの実兄で『GO!GO!L.A.』などで知られるミカ・カウリスマキ監督による人間ドラマ。フィンランドの小さな村にある食堂を舞台に、異国から来た料理人と地元の人々の出会いと心の交流を描く。主演はフィンランドの女優アンナ=マイヤ・トゥオッコと香港出身の俳優チュー・パック・ホング。フィンランドを代表する俳優ヴェサ=マッティ・ロイリ、カウリスマキ監督作『ヘルシンキ・ナポリ/オールナイトロング』などのカリ・ヴァーナネンらが脇を固める。(2019年 フィンランド,イギリス,中国)

story:

フィンランド北部の小さな村に、中国・上海から料理人チェンとその息子がやってきた。彼らは恩人を探しに来たと言うが、その人を知る人は誰もいない。村で食堂を営むシルカは、チェンが食堂を手伝うことと引き換えに恩人探しに協力することに。恩人探しが思うように進まない一方で、チェンが作る中国料理は評判となり、食堂は大盛況。料理を通してシルカや常連客たちと次第に親しくなっていくチェンだったが、観光ビザの期限が迫り、帰国の日が近付いていた。

review:

ムーミン谷のフィンランド。世界幸福度第1位の国なのに、料理はイギリスより不味いと言われているらしい。知ってた?フィンランドには一度行ってみたいけど、イギリスに勝る味盲の国には住めないなぁ・・・。イギリス知らんけど。ちなみに「フィンランド料理」でググってみたら、お世辞にも美味しそうとは言えない画像とともにラップランドの食材盛り合わせ、トナカイ肉のソテー(とマッシュポテト)、バルチックニシンのフライ(とマッシュポテト)、ミートボール(とマッシュポテト)などが紹介されておった。

と言うわけなので、プロ料理人のチェンが作る美味しくて見た目も美しい、“医食同源”の中華料理はフィンランド人の心を鷲掴み。料理は国境を超えて喜びをもたらし、フィンランドの美しい自然を背景に、異なる文化を持つ人々が心を通わせていく。そりゃ、面白くないことはないけどもな。分断に揺れる現代社会に対する監督の強いメッセージはこれでもかと伝わってくるが、いかんせん、ストーリーが凡庸すぎて。描き方が浅くて登場人物に共感しないし、心が動かされるような抑揚が何もないのである。おじいちゃん二人組がいい味出してる。そこは良かった。

ミカ・カウリスマキ監督の実弟で、フィンランドを代表する巨匠アキ・カウリスマキの監督作品をこよなく愛する私であるが、兄弟だからって期待しすぎたのだろうか。アキ・カウリスマキの厳密なる配色の構図、端正な脚本、無駄のない寡黙な演出、そういうものを期待しすぎたのだろうか。勝手に期待してごめんよ・・・。アキのお兄ちゃんだから観とくか、という動機で観るつもりのカウリスマキ信者のみなさん、そういうつもりで観るのはおすすめしないっす・・・。

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