映画日誌’20-17:15年後のラブソング
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映画日誌’20-17:15年後のラブソング

さかいりえ

trailer:

introduction:

「アバウト・ア・ボーイ」などの著書があり、『ブルックリン』などの脚本家としても知られる小説家ニック・ホーンビィの小説「Juliet, Naked」をベースにしたロマンティック・コメディ。ドラマシリーズ「ナース・ジャッキー」などのジェシー・ペレッツが監督を務め、『ピーターラビット』シリーズなどのローズ・バーン、『恋人までの距離』『ビフォア』シリーズなどのイーサン・ホーク、『モリーズ・ゲーム』などのクリス・オダウドらが出演する。(2018年 アメリカ,イギリス)

story:

イギリスの港町サンドクリフで、美術館のキュレーターとして働いている30代後半のアニー。長年の一緒に暮らす恋人のダンカンと何不自由ない生活を送っていたが、どこか充たされない思いを抱えていた。ダンカンは1990年代に表舞台から姿を消した伝説のロック歌手タッカー・クロウに心酔していたが、アニーはそのことにうんざりしていた。ある日、タッカーが原因でダンカンと口論になった彼女は、ダンカンが運営するファンサイトに酷評するレビューを投稿してしまう。それを読んだタッカー本人から、アニーのもとに一通のメールが届き...

review:

イーサン・ホークって知ってる?むかしむかし、20世紀の終わり頃、『いまを生きる』や『リアリティ・バイツ』で独特の存在感を放っていた、少々物憂気な眼差しが魅力的な美青年がおったんじゃ・・・。時は流れ、紆余曲折した彼の顔にはその人生が深く刻まれ、年相応のくたびれたおじさんになった。でも、あの時の美青年に魅了されたいつかの乙女は、イーサン・ホークが出演していると何となく観に行ってしまうのだ。

イーサン・ホーク氏、今回はタッカー・クロウという伝説的シンガー(ツアーの途中で姿を消し、行方知れず)を演じている。しわしわにくたびれて、役作りでボッテリ太ってても、素朴さと色気が共存するイーサン・ホークの魅力を堪能できたので100点。しかも緊急事態宣言下で映画館通いを何ヶ月も辛抱した状況で、映画に対して限りなく優しい気持ちになっており冷静な判断ができないが、いやこれ、なかなか面白かったんじゃないか・・・?

タッカー・クロウの信奉者ダンカンと15年も一緒に暮らしていたアニーと、タッカー・クロウ本人の物語だ。ダンカン、こういう面倒臭い男は世界中におるな。この良さが分からないなんてどうかしてるよ、とか平気で言ってくるサブカル系男子。知らんけど。タッカー・クロウ博物館とも言えるダンカンの地下室、私には『死霊館』シリーズのローレン夫妻宅にあるオカルト博物館にしか見えない。

アニー、なんでコイツと15年も一緒におったんや・・・って思うけど、ロンドンに比べると刺激が少ない田舎の港町で、少々教養があってなんとなく文化の香りがする、しかも外からやってきた男が素敵に見えちゃう気持ち、わからんでもない。だって田舎町だと稀少種だから、少々難ありでもこれを逃したらもう次がないと思っちゃう。わかる、わかるよー。

私の人生に何があったかは置いといて、この映画のよく分からない面白さは、アニーの揺れ動く心情の描写がなかなかリアルで、彼女にシンクロしてしまうからだろう。原作者おっさんだし監督もおっさんなんだけどな。脚本もよく出来ていたし、テンポの良い展開で気持ち良く観ていられる。素敵な映画であった。もう一回観るかと聞かれたら多分観ないし、配給会社がつけた超絶ダサイい邦題で全てが台無しだけども、食わず嫌いしたら勿体ないかもしれないよ。

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さかいりえ
映画観て音楽聴いて食べて飲んで読んで書いて酔っ払ってる。乗り鉄。サブカル系こじらせ男子の夫と都内某所で2人暮らし。子どもとおとなのクリエイティブ・コミュニティ、VIVITAのプランナー/コミュニケーターが本業。遊ぶのが仕事。