見出し画像

『音の記憶』


君が私の名前を呼んだ

苗字ではなく
名前の方を呼び捨てで

戸締りを終えた薄暗い
二人きりの教室で

お返しに
君を名前で呼んでみた
精一杯の呼び捨てで

「悪くないね。」

どことなく照れを隠した返事は
少し熱を帯びていて
耳の奥がこそばゆかった


#言葉の添え木 #詩 #散文 #イラスト

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?