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その125 国栖へ行きて帰りし物語。(吉野アンバサダー 後編)

こんにちは。
前回のあらすじ。吉野のさらに遠くへ行ってきた。自分の柏手の音にビビる。

続きに入ります。

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次のバスは二時間後。ここからTENJIKUまで徒歩だと約12キロ。
歩こう。
とりあえず、国栖(くず)地区内ならフリーライドなので疲れたら乗ればいいや。
そんな感じで、徒歩で戻ることにしたのでした。

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とりあえず当初の降車場所だった「南国栖」を目指してからUターンして戻ることにしました。
歩いていると、ふんわり樽酒と同じ杉の木材の香りが流れてきます。そういえば杉箸作りが盛んだと聞いてたなあと思い出しました。
たまに人の気配と何かを加工しているのか、モーター音が聞こえる家屋も見かけました。

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「南国栖」のバス停を越え、浄見原神社の参道から見えた橋に着いてから戻りました。
実は行きのバスの途中に気になるものを発見したのでそこをとりあえず目的地にしました。国栖地区に入ってから醬油蔵を見つけたのです。
ふらふらと周りの景色を楽しみつつの帰り道です。距離はとりあえず忘れておこう。

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途中で見つけた醤油蔵の名前は森谷醤油さん。直接買えるようなのでするっと入ったところ、「何者ー(@_@)」みたいな顔されてしまう。
すいませんでした…事前に連絡するべきでした。
醤油は薄口なのか聞くと、濃口とのこと。関西方面では薄口なのかと思っていましたが、関西の方はもう一つのだしを加えただし醤油が人気だそうです。
歩いて帰ることを考えて小さいサイズの醤油と金山寺味噌、あとは醤油豆に野菜を漬けられたもの(こちらの方が自分好みの味でした)を購入。
商品の質問をしていて面白かった話は、吉野川に沿って吉野町内に昔は醤油蔵が六蔵あったということ。今はここを合わせて三蔵だそうです。
「密度たかっ」と思わず突っ込んでしまう自分。酒蔵も今よりももっと多かったよとご主人はそう話していました。
ここで造られた醤油や酒が木材と共に川の流れにのって大阪の堺の港にたどり着いていたのか…。
ふと気づきましたが、このあたりの家屋は川ギリギリに沿って建てられています。そういえば河原へ自由に降りられる場所が見当たらないことに気づきました。これは各家からの川への荷物の搬出入の名残なのかなと想像しました。

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実はもう一カ所行ってみたかったけどお休みなので外観だけ通りすがりに見て帰った国栖(くにす)カフェの目の前の吉野川が見事なヘアピンカーブを描いているの休憩がてら眺めてみたり、浄見原神社の参道すぐ横の米谷石材作の石の彫刻作品群がたまにあるのを発見してしまったり(後日吉野山にもあるのを発見する 笑)、その作品群の独特の作風に作者の意図を探りながらの旅路をしていきました。

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途中来た違う路線のコミュティバスに乗ってショートカットを図り、トンネルを徒歩でくぐり抜け、廃墟マニアがうなりそうな廃墟群の写真を撮る姿を不審そうな目で地元の方に見られつつ(笑)、もう一つのコースで紹介されていた宮滝地区まで戻ってきました。
ついでに遺跡やもう一つの醤油蔵の梅谷醸造さんを見ていこうかと思っていたものの、脚がかなりパンパンになっていたため断念。
このあたりまで来ると、吉野川のカーブはあまりきつくなく緩やかそうな印象にみえます。

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脚が棒になる寸前くらいで歩きながら、浄見原神社の縁起を思い出していました。
国栖奏の起源になった応神天皇は伝説クラスなのでその時代は置いといて、天武天皇がまだ大海人皇子の時代からこのあたりに住人がいたこと。
今歩いている道は広いし車で楽に行けますが、行くのも住むのも楽でもない場所に人がいて往来もかなりあった事実があること。
もっと考えると、馬の使用は軍事と祭祀以外で使われていない時代から人の集落があり住んでいること。
とても面白いものを見に行ってきたんだなあと改めて思いました。

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そんな想像をしつつ中荘温泉に着いたのは、ツアーの指定されたコミュニティバスが来るまで一時間を切ったところでした。
温泉に入るよりも、ご飯が食べたい。もう何よりもお腹が空いた( ゚Д゚)
出てきたラーメンセットはかなりのボリュームでしたが、しっかり完食。そしていいタイミングでバスが到着、からのTENJIKU帰還。

脚はパンパンでしたので、これでもかとストレッチとマッサージで静かにもみほぐしました。
個人的には楽しいというよりも面白い経験が詰めたツアーになりました。また行くときはゲストハウスがあるので泊りがけで行くのもよさそうです。
時間的に行けなかったコミュティバスの運転手のじいちゃんが解説してもらった沿道の神社仏閣をしらみつぶしに参拝していくのも面白そうです。

何より買ってきた森谷醬油が絶品で、「通販やってるよ」と帰り際に聞いていたため、お取り寄せしてまたあの時の旅路を思い出したいなと思っている今日この頃です。

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