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「話す力」30のチェック【心】⑨「一方通行ではなく、双方向性を意識して話す」

  私が体験した企業のコミュニケーション研修や講演において、日本人のコミュニケーションの取り方の特徴は、一言で言うと、「一方的」と表現できます。

 例えば、スピーチやプレゼンテーションなどの時も、かなり一方的な情報伝達で自分のペースで話して、聴衆への「アイ・コンタクト」もろくにしないで、「間」も取らないで、機関銃のように話したりします。

 そして、聞き手が聞き逃さないようにと、「自分の話すセリフ」文字情報にしてスライドに写しながら、そのままは話すケースがそう珍しくありません。

 そしてプレゼンターつまり話し手は、捲し立てるように早口で、同じリズムで話します。それを聞いている聴衆はというと、同じリズムで話すプレゼンターの話がまるで「子守唄」のように聞こえてきて、「うなずいて聞いている」と思ったら、実は「眠くて船を漕いでいた」ということもよくあることです。

 本来のプレゼンテーションにおいては、話し手はメリハリや間をとって、話に抑揚をつけると同時に、ジェスチャーやアイ・コンタクトで聴衆に「刺激」を与えて、相手の反応を引き出し「巻き込んでいく」という姿が求められます。

 このような状況の大前提こそが「双方向性」あるいはよくコミュニケーションはキャッチボールに例えられますように「相互のやりとり」ということで「相互性」と呼んでも良いです。いずれにしても、ここで重要なことが・コミュニケーションは「一方通行ではない!」ということを確認しておきたいものです。

 それと同時に、この「双方向性・相互性」」というのは、実は、コミュニケーションを活性化するための3つの条件の中の1つなのです。

 コミュニケーション活性化の3条件とは、①「双方向性・相互性」を始めとし、②「今ここ、目の前にいる相手とのやりとり」という「対面性」、そして③「同じテーブルやステージに立ってコミュニケーションを取るようにする」という「水平性」を指します。どれひとつ欠けてもコミュニケーション不全になてしまうくらい非常に重要な条件と言えます。

 今回の心構えとしては、はその3条件の中の「双方向性・相互性」言い換えると「一方通行ではない!」ということを意識して、人とコミュニケーションを取るようにしてみましょう。

 例えば、あなたが誰かに何かを説明するような時は、説明を聞いてもらう状況づくりとして、相手が知りたいこと興味・関心の度合いが高いことなどを、予め情報収集できる範囲で「聞き手の分析」をしておくだけで説明の双方向性はグッと高まります。

 そして説明の途中でも、できるだけ「アイ・コンタクト」をして、目で言葉を届けて、目で相手の反応をキャッチするだけでも、コミュニケーションの双方向性が保てて、活発化します。アイ・コンタクトで聴衆を観察するとともに、「ここまでのところで何かご質問ありますか?」「ご不明な点やご要望等ございましたら、遠慮なくお声をかけてください!」と具体的に直接的に質問や確認をしながら、説明するだけで相互の理解度が増し、聞き手への伝わり方、効果も高まることでしょう。相互性を意識することで、当然「アイ・コンタクト」という「対面性」もケアして、不明点や疑問点を解消するという「水平性」も満たすことができるのです。

 こうなると、コミュニケーションの質は高まり、話し手と聞き手の「ジョイントベンチャー」のように、双方がともに満足のいく結果が得られるのです。

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