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オンライン時代に求められる話し方③「カメラ目線」

 たとえば、ZOOMによるセミナーで、パソコンの画面一杯にギャラリービューで25人位の顔の画像を映し出しているような場合、参加者一人ひとりを見ようとすると、話し手はパソコンのモニター上の聞き手一人ひとりにアイ・コンタクトしているつもりでも、カメラはパソコン画面の上の真ん中にセットされている場合が多いのです。すると、聞き手から見える話し手の「目線」はやや「伏目がち」に写ってしまいます。

 さらに、もしも手元の資料などを見ながら解説していたとしたならば、完全に顔は下を向いて聞き手は話し手の頭のてっぺんしか見えないような状態になってしまうのです。

 もともと我々日本人は、人と目を合わせて話すのがあまり得意ではありません。なぜならば、コミュニケーション・スキルの中でも非常に重要な「アイ・コンタクト」について、その重要性や具体的、実践的な方法について学んだことやトレーニングした経験がないからなのです。

 話している時に聞き手の視線を感じると、その聞き手を見ること自体が怖くなってしまいます。その結果として「目を合わせない話し手」になってしまうのです。

 ところが、コミュニケーションのキーワードは「インタラクティブ」すなわち「双方向」であって、一方通行ではありません。

 この場合、アイ・コンタクをすることによって、「目で自分の言葉を届けて、目で相手の反応をキャッチする!」ということが可能になるのです。これによって「双方向性」が高まり言葉のキャッチボール活発になると同時に、お互いの人間関係づくりができるのです。

 さて、それではオンラインにおける「アイ・コンタクトのポイント」について触れて行きます。

⒈【背筋を伸ばし、左目でカメラを見る!】:話のスタートの時は背筋を伸ばして気持ちを集中し、左目でパソコン画面上の真ん中のカメラしっかりと見ます。「なぜ左目か?」という理由は2つあります。一つ目の理由は、両目で見ないので、目線が「穏やか」になり、聞き手が聞きやすい状況が整います。そして、2番目の理由は、左目はクロスして「右脳」と繋がっているからです。右脳は「感覚やフィーリング」を司っているので、「感じの良さ」を相手に伝えることができると言われています。

【鼻呼吸】で空気をたっぷり体に入れて、【爽やかな挨拶とフルネーム】で名乗って、話をスタートします。空気を思いっきり吸い込もうとすると、「スッー」という「空気を吸い込む音」が聞こえる人が多いと思います。このような人は、鼻呼吸ではなくて、「口呼吸」をしています。口呼吸をすると、2つの大きなディメリットがあります。一番目のディメリットは、口で息をするので、すぐに口がカラカラに乾いてしまいます。その結果、話し手は「緊張して口がカラカラだ!」と感じて、余計に緊張感を増してしまう可能性が大なのです。そして、2つ目のディメリットは、口で息を吸うことで口を開けっ放しにしてしまいます。そこにちょっとした「沈黙」ができると「早く沈黙を埋めなくては!」という焦ったっ気持ちが先行して、「え〜、あの〜まあ〜」などの無駄な言葉を発してしまい、耳障りとなって、結局聞いてもらえない話になってしまいます。このような時は、語尾のところで、口をしっかりと閉じ、鼻呼吸をします。この時にできた「間」で、相手に「アイ・コンタクト」をして、しっかりと相手の反応をキャッチしてください

⒊【目線はカメラに向けて、お辞儀の角度のように、15度・30度・45度と角度に変化をつけてカメラ目線のアイ・コンタクトをしましょう。この時の「アイ・コンタク」は少し「変化」を意識したいものです。どういうことかと言うと、話の「重点ポイント」や「インパクト」を与えたい時などには、カメラと目の距離感だけではなくて、いわゆる「目力」も意識したいものです。日本人の場合、アイ・コンタクトのトレーニングもしていませんので、「目の表情」をはじめ、「顔の表情」にもあまり変化が見られません。話し手に映る聞き手の姿とは「わかっているのか?わかっていないのか?わからない!」という状態です。特に話し手に回った時には、「顔の表情と目の表情」をまるで歌舞伎の「見栄を切る時」のような目の表情をするくらいで丁度良いのです。なぜならば、やはりジェスチャーやアイコンタクトのトレーニングというものを我々日本人はやってきていないので、「自分でやっているつもり」では客観的な聞き手から見ると「何も変わらない」というレベルでしか届かないのです。特にZOOMのギャラリービューのように一人ひとりの顔がはっきりと見えないくらいのサイズでは、顔の表情や頷きなどは、歌舞伎役者になったつもりぐらいでちょうど良いのです。

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