失恋愛好者

 恋愛っていいですよね。好きな人のことをふと思い出すと、お腹の底がじんわりと暖かかくなって、仕事も前向きになれるし、その人とあえる日が待ち遠してくて仕方がない。それで、その人にすこしでも相応しくなれるように、できる範囲ではあるけど自分を高めようと思う。

 一方、これは私の拗らせ生態の一つですが、「失恋」が好きなんです。あれだけ毎日毎時毎秒思い出していた方から別れを切り出され、性格上全然平気な顔をして「うん、お互い幸せにね」って心にもないことを伝えてさっくり別れる。本当はめちゃくちゃ縋り付いて「別れたくないよ~~~~!!」だなんてだなんて泣き叫びたい。でも、それはプライドが許さないし、仮にそれをやると、私が大事にしている「平等」という前提が崩れ、相手方とのパワーバランスが崩れてしまう気がしちゃうので。

 そんなこんなで失恋をするわけですが、みなさん、失恋したことはありますか?「好き」だという回答をされる奇特な方がいるかもしれませんが、大多数の方は「嫌い」という回答になるのではないでしょうか。私の好きな曲で「ポルノグラフィティ」の楽曲で、「別れ話をしよう」というものがあります。どちらかと言えば男性が女性に別れを告げる曲で、「アゲハ蝶」のカップリング曲です。私は女性側から別れを告げられてきた人生なので、正直ばっちり共感するとは言い難いのですが、昔から好きな曲です。いつか自分も「東京って匂いのするバーで別れ話をしてみたいものです。

 正式のお別れが決まった後、「Printemps」の「No Exit Orion」を深夜のベランダで聞いて、ちょっとウィスキーのロックを飲んでみたり、いい感じのバーで氷がカランと解ける音を聞きながら、元カノとの思いを馳せてみたり。

恋人と別れた。片思いだった人に思い切って告白したけど断られた。はたまた推してた女性声優が結婚した、なんて経験をされたことがある方もいるかもしれません。そんな時間が愛おしくてたまりません。

何でもないふとした瞬間に、その人のことを思い出して胸がきゅっとなり、いま何をしてるんだととか、メールの返信が遅いと何か文面が悪かったのかとやきもきしていたことを思い出しては寂しさと悲しさを味わうことに、一種の喜びを見出してしまうのです。

そう、つまり私は彼女も欲しいけど、その先の失恋が味わいたいのではないでしょうか。いうなれば「失恋愛好家」とも呼ぶべき、拗らせた人間なのです。

交際期間はもちろん、失恋後も多大なるエネルギーの消耗が必要となるため、分かい時分はまだしも、30歳も半ばとなると非常なダメージとなります。マッチングアプリに登録してみたところ、その前段のメッセージのやり取りですでに諦めたところからもお察しです。

深夜のテンションで書き上げたため、もろもろおかしいことがあっても、御目こぼし頂けますと幸いです。

そして何より、この独身拗らせ二次元オタクと仲良くしてくれる皆様に多大なる幸福が舞い降りますように。

私は来世に期待して寝ます。

おやすみなさい。

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