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2023/10/20 暴力と抱擁

・U-NEXTで『オオカミ狩り』をレンタルして観た。映画館で観て以来2回目の鑑賞。改めて観ると初見の時よりはまぁ…という部分も沢山あったが楽しく観れた。やっぱネタが割れてると楽しさ半減…とまでは言わないが多少そういう要素もある映画だなという気付きがあった。それにしても暴力に躊躇いが無さすぎて素晴らしい。

・現実での暴力なんて最も嫌な事のひとつではあるんだけど、映画で観る暴力は超超超好きなんだよな。なんなんだろうこの感覚は。ドラマチックな暴力より、乾いた暴力が好き。淡々と無感情で無機質な暴力が観たい。そういう意味では、黒沢清や北野武の映画の暴力が最も心にグッと来る。

・一方で、最近は人々が抱きしめ合ったり手を繋いだりとか、そういうシーンで涙が出てくるようになってきた。文章として書くと些細な動作かもしれないけれど、それをする時のどうしようもなさ、言葉の追いつかなさ、切実さ、みたいなものがなんとなく分かり始めてきたから。このひとつの抱擁のために、あなたと今手を繋ぐために生きてきたんだと思える瞬間があるのだろうと、そう思えるようになったから。だから、その行いがとても尊く感じる。

・書いててどんな情緒で映画観てるんだよと自分でも思うが、この暴力を愛する感覚と抱擁に涙する感覚は全然心に共存している。どちらも美しいと思いながら観ている。そういう事が全然あるのが映画の素晴らしさだと思う。

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