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2023/12/27 木漏れ日

・起床。久しぶりに映画館へ。

・ヴィム・ヴェンダース監督の『PERFECT DAYS』という映画を観た。

・ドイツ人である監督が撮る日本人キャスト、日本舞台の映画で、一風変わった雰囲気のある作品となっていた。

・劇中で流れる選曲も良かったし、絵も邦画ではあまり観れないような新鮮なカットもあり、面白かった。でも、なんだか嘘臭さも感じてしまったな…。

・というのも、別に内容がどうこうという話ではなく、主人公平山を演じる役所広司の表情がずっと気になっていたのだ。全体的に広告臭が凄いという切り口も別にあるかもしれないが、僕はそこはあまり話したい事でもないので置いておきます。

・平山は無口だがとても穏やかで、事あるごとにニコニコと笑顔を浮かべる。僕はそれがとても気になった(演技の良し悪しという話ではないです)。人ってこんなにも表情を浮かべるものなのだろうか。人と目が合った時に軽く微笑みかける事はあるかもしれない。1人でいる時に思い出し笑いをしてしまう時もあるだろう。(どちらも僕はあまりしないが…)でも、家を出て空を眺めて少し微笑む…なんてのは流石に嘘やろ…と思ってしまった。まぁ、これも僕の感覚からすればという事でしかないのだけれど…。一度や二度であればそこまで気にならないのだが、結構終始そういう部分はあり、これをそういう人だと思うのか、そういう演出だと思うのかで受け取り方も変わってきそうだ。

・…という話を同居人にしたら、「海外の人から見たら、日本人はいつもニコニコしている(いつも愛想笑いをしている)イメージがあるらしい」みたいな事を言っていた。それを踏まえた上で考えると、少し腑に落ちたような、落ちてないような…。

・思い返せば、これはただ穏やかな人の穏やかな日常を切り取った映画…と言うには些かブレがある。むしろいつ途切れるか分からない妙な緊張感がずっとあった。彼はいつもニコニコしているが、アレは本当の笑顔なのだろうか。なんであの時泣いていたんだろうか。ぐるぐるとそういった事を考えていると、思っていたよりも良い映画だったような気がしてくるが、はたして…。

・映画の最後に『木漏れ日』という単語の説明が入る。そういえば、海外には『木漏れ日』という単語は無いらしい。日本人が細やかな日々の移ろいを楽しみながら慎ましく暮らしていく姿をまさに木漏れ日のようだと、そう感じ、撮った映画だったのだろうか。そんなのは些か美化しすぎではと感じてしまうが、うーむ…といった気持ち。

・明日には年間ベスト映画を考えたいですね。おやすみ。

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