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DMM英会話あるある1 「始める勇気が出ない」


これが、最大のあるあるではないだろうか。

なかなか入会できない。


「やってみたいな」「やった方がよさそうだよな」「やるべきだよなあ」と思っても、実際に入会申し込みをするという、決定的な一歩がなかなか踏み出せない。
その勇気が出ない。

まさしく、3年前の私の状態である。私も「やろうやろう」とずっと思っていたのに、最後の「本当に入会する」というラインがいつまでも越えられない。

だって怖いもの!! 外国人と英語で話すなんて(泣)!!!


日本は陸路の国境をどの国とも接していない島嶼国(とうしょこく)だし……。
メリケンやエゲレス、オロシャなんてかつては三国干渉やABCD包囲網で散々煮え湯を飲まされた相手だし………。関税自主権の回復と領事裁判権の撤廃が陸奥宗光・小村寿太郎両外相によって達成されるまで長らく日本は不平等条約を押しつけられていて………太閤秀吉の時代には多くの日本人が南蛮船に奴隷として連れ出され伴天連追放令のきっかけとなり………薩英戦争馬関戦争文永の役弘安の役………はだしのゲン………外国人怖い……。

いかん。
不適切なことを書いてしまった。それはダメだ。
この21世紀に、飛行機も飛んでおらず人々の倫理観も今とはまったく違う時代の事件を持ち出して、外国をイメージするのはふさわしくない。我々だって外国の人々から白村江の戦いや倭寇の記憶で国民性がイメージされたら心外であろう。
というか白村江の戦いや倭寇を知っているくらい日本通の人だったら、今の日本に対しても正確なイメージを持っていそうである。

国とかじゃないんだよもう。
DMM英会話の先生は、どこの国の人であろうと一人の人であり、私のような無知な生徒に英語を指導してくれる、尊敬すべき先生なのだ。
「先生と生徒」という意識すら持たなくて良いかもしれない。
先生は受講してくれた生徒に感謝するし、生徒は授業をしてくれたことに対して先生に感謝をする。ギブアンドテイクが成立しているのだから、師弟と言うよりはむしろ国境を越えた「友人」と言う方が適切かもしれない。
人種は違えど、友人と話すことに、なにを躊躇することがあろうか?
世界の隅々までネットワークが繋がった、このボーダーレスな時代に。

…………というようなことを、私はちゃんと理解している。
理論としてはよーくわかっている。




でも怖いの(号泣)!!!

理屈じゃないの!!! そういう奇麗事はわかっているけど理屈じゃない部分でどうしても怖いの!!! 初対面の外国の人と英語で話をするっていうことがどうしても怖いのっっ(涙)!!!!



やはり、最初はそんなものだ。
帰国子女でもなく、同僚や友人に長い付き合いの外国人がいるわけでもない、ごく普通の英語が苦手な日本人はどうしてもそういう心境になってしまう。
普段は「人類みな兄弟」「人として付き合うのに肌の色も出身地も関係ない!」と信念を持っていても、いざ現実的に「自分が英会話レッスンに参加する」ということを想像した途端に、いやぁ~外国の人怖いっ(涙)!!!と、幕末の尊皇攘夷の志士にでもなったかのように我と彼との間に厚い厚い壁を感じてしまう。

まあそれは単純に、慣れの問題であるとは思う。
外国の人と話すことも、日本語でない言葉を使って話すことも、多くの人にとっては未知のこと。
慣れればなんでもないことも、それが「未知である時」には誰しも恐怖を感じてしまうものだ。なんでもないことでもそれが「自分の感覚で未知だと思ったら」人は理性をかなぐり捨てて狂乱してしまう。尊皇攘夷の志士たちも、今の病気を怖がる多くの日本人もそうなっている。

私なんて、一応「旅行作家」の肩書きがあるんだぞ?
アフリカ大陸を南から北まで英語だけ使って縦断するとか、一応やったことがあるおっさんなんだぞ?
それでも怖いだ。なんで怖がっているのか自分もわけわからないし、みなさんもわけわからないだろう。
でも怖いだ。

だって、旅行はちゃんと英語を喋らなくたってできるんだよ!
食事なんて黙ってメニューを指差せば注文できるし、移動も宿泊も「ナイロビ! トモロー! ワンパーソン!」「シングルルーム! スリーデイズ! コックローチ!! キル!!」と単語の連呼だけでこなせるのだ。現地の人との会話も「フェアーアーユーフロム?」「フェアードゥーユーゴー?」「ヘルプミー」「ユーアーフール」みたいな定番セリフしか出ないものだ。
それが英会話のレッスンは、対面で25分間、一人の人とじっくり話すのである。
フェアーアーユーフロム?の連呼で25分は持たない!! じっくり25分も会話を続けられる語学力も胆力も人間力もない!!! 話題もない!! 会ったこともないボスニア・ヘルツェゴビナやエスワティニ王国(旧国名:スワジランド)の先生となんの共通の話題があるっていうんだよ!!! アフリカ大陸を縦断するより英会話のレッスンを25分受ける方がずっと難しいっ!!!!

旅行中は「ジャパン!」「ケープタウン!」「ルクソール!」「バス? トレイン? トゥモロー!? タイアド!! ハングリー!!」と単語だけで押し切っても、誰も「あなたそれは動詞の活用と前置詞のチョイスが間違っていますよ」などと指摘して来ない。目的が「意図が通じるかどうか」のみだから。そもそも前置詞とか使ってすらいないし。
バスでナイロビに行きたい場合には、バスでナイロビに行けさえすればそれでいいのだ。どんな無茶苦茶な英語を喋ろうと、自分が結局ナイロビに到着できればそれで大正解。成績優秀。申し分ない。

でもこれが英会話のレッスンとなると、バス!! トモロー!! ワンパーソン!!では、怒られる。
まだ未入会の段階では怒られるかどうかもわからないが、きっと怒られると思うのだ。I want to go to Nairobi tomorrow. I want to buy the bus ticket. とかちゃんと文章を構成して言わないとダメだろう。そういう力を身につけるために入会する英会話なんだから。逆にバス! トモロー! ワンパーソン!!で怒られなかったら英会話をやる意味がない。
※実際は、「怒られる」ということはありません。優しく訂正されます。

だから、最初の怖さは私も他の多くの日本人のみなさんも、同じなのだ!!!
だいたい旅をしている時の精神の状態と、日本で自分の部屋にいる時の精神の状態は全然違うし。
アフリカにいれば毎日周りにいるのは外国人ばかり(もちろん自分こそが外国人なのだが)、カタコト単語会話でも毎日外国人と喋っていれば喋ること自体には抵抗がなくなるし、喋らなければ1日1日が成り立たず旅の安全が脅かされ、日本に帰れないという事態になる。
そりゃあ誰でも喋るよ。追い込まれるから。
私なんてジンバブエの国境の町で全財産盗まれたので、なんとか喋って状況を打開しなければアフリカの辺境で物乞いとして生きていく(もしくは死んでいく)ことになっていた。
エピソードの詳細は幻冬舎文庫「アフリカなんて二度と行くか!ボケ!!」を読んでね!

でも、そんな経験をしてすら、日本に帰って1ヶ月も経てば、喋り慣れていた慣れはすっかり失われ、町で外国人を見れば「あっ、外国人だ!」とおどおどするようになる(涙)。マインドが日本生活モード(幕末の志士モード)になるのだ。

それに、住み慣れた自分の部屋にいる時には、なにも追い込まれていない。
英語を喋らなくたって今日も明日もなんの不自由もなく毎日が平穏に過ぎるし、人々と意思疎通ができる。
英語を喋る必然性がなにもないのである!!
そういう心のモードで、「自分の部屋にいる」という世界最高のリラックスモードでいきなり海外の人と通信が繋がって英語で25分喋るというのは、すさまじいエネルギーを消費する行為なのである!

これならまだ、駅前の英会話教室の方がいいのでは!? 
だってリアル教室に行く時はお出かけモードになっているし教室に入ることでさらにメンタルを切り替えられそうじゃないか。空間が変わることで気持ちのスイッチを入れられそうじゃない! 自分の部屋じゃあスイッチを切ったままレッスンを始めなきゃいけないんだから!! 英会話奇襲攻撃だ!!! 撃沈される!!! 泰平の眠りを覚まされる!!!

……しまった。
オンライン英会話を勧めるブログなのに、趣旨に背くことを書いてしまった。

まあこれは、最初だけの感情だ。
心臓がバクバクするのは、あくまで最初だけ。
会話を始めて一定の時間が経てば、次第に慣れていって始めのドキドキもすっかり引いて行くものだ。恋人と同じ。

問題は、その怖い最初をどう乗り越えるか、つまり入会申込のクリックを押す勇気をどう捻出するか、そこなのだが、やはり自分を追い込む状況を作り出すのが良いと思う。

私は「次の旅の予定があるのでそれまでに英語を上達させたい」という目的があり、その目標の存在がひとつの追い込みにもなったが、それでも「ああ、英会話始めなきゃ……」と思って実際に入会手続きをするまではかなりの期間がかかった。
「もう少ししたら始めよう」「今忙しいからもうちょっと後にしよう」「時間が出来たら申し込もう」「心に余裕が出来たらやろう」と、決してやる気は失っていないと自分では思っているのだが現実には、ズルズルズルズル入会は引き延ばされて行った。procrastinatorだった。私は。
procrastinator=何でも先延ばしにする人

そこで私はまず、「英会話に入会する勇気」のひとつ前のステージの勇気として、「自分を追い込む環境を作るための勇気」を出すことにした。

例えば、webカメラを買う。
webカメラを買うことくらい、たいした勇気は必要ない。Amazonでクリックすれば家に届くのだから。なにも面倒なことも精神的負担もない。
しかしそれでカメラが届くと、「カメラを買ったからには、使わないともったいないな……。オンライン英会話やらなきゃ……」という少しの追い込みになる。私は他の用途ではwebカメラは使わないので。

そして次に、SNSに「オンライン英会話やります!」と書いた。
これも、書くこと自体は大変ではない。TwitterやFacebookを開いて打ち込んで「投稿」をクリックするだけだ。1分でできる。
私の場合はTwitterで「今から1週間以内に、DMM英会話に入会してレッスンを始めます!」と書いた。

書き込むこと自体は簡単でも、そう書いて投稿したという事実が、自分に対する強力な追い込みとなる。
私が最終的に入会のハードルを越えられたのも、その予告状を出したからだ。
キャッツアイも怪盗とんちんかんも怪盗Xも怪盗キッドも、「4月8日暁九つ、貴博物館の所有される黄昏の碧玉(イブニングトワィライトジャスパー)をいただきに参ります」とカッコつけて予告状を出しておいて、警視庁がいまかいまかと待ち構えているのになにも行動を起こさなかったり、あるいは「申し訳ない。どうしても実行する勇気が出なかったので、予告の期限を4月15日まで1週間延期されたし」と再予告状が投函されたりしたら、世間の笑いものになり怪盗としての威厳は地に落ちるであろう。
私も「1週間以内に英会話を始めます!」と書いておきながら、その約束(自分との約束、そして世間との約束)を果たせなかったら「簡単な言葉にすら責任を持てない、ウソつきのペテンのドグサレ非モテ貧民野郎」の烙印を押されるであろう。
私は、ウソつきのペテンのドグサレ非モテ貧民野郎と呼ばれる恐怖と比べたら、「オンライン英会話を始める恐怖」の方が少しだけ軽いと感じた。
それでようやく、その追い込みによって遂に私は入会手続きという、最初の一歩を踏むことができたのだ。


英会話に限らないことだと思うが、自分になにかを決断させるには、「決断せざるを得ない地点まで自分を追い込む」という作戦が効果的である。
もっとも、そんな大げさに騒がずとも意識が高い人なら「英会話やってみよー」と思ったその日にあっさり申し込めるのだろうが。
しかし私のような意識の低い6流の人間は、追い込まれなければスイッチを入れようとしないのである。
まだスイッチ自体は錆びていなくて良かった……。まだ入れれば入るという機能は残っているスイッチで良かった。もっと何年も放置していたら、スカスカしちゃってどう操作しても永遠に回路が繋がらないジャンクスイッチになってしまっていたかもしれない。
そうしたら、もう老化一直線だ。
そうなる前に、みなさんもwebカメラから思い切って買ってみたらどうだろうか?

ついでなので次回は、初めての授業の記憶について書こうと思う。

To be continued.


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