さらぬわかれ 97

さくらは心中する前に、自分だけで死のうとしていたのだ。

「嫁いでも、結婚相手が酷い人間だって分かっているから、希望が見えないものね。死にたくもなるわ。」
波留日がさくらに寄り添った。

恒太は父親の恒孝に何か言いたげな視線を送った。

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