さらぬわかれ 105

「消えちゃダメ!」
さくらに向かって、栄子は叫んだ。

「栄子…私…短い間だったけど、会えて良かった…。本当は…さくらとしてじゃなくて…あなたの…姉の桂に…戻りたかった。桂の肉体が死んで…私が消えても…魂は、この桜の木で…眠っているから。忘れないで。」
さくらの姿は、今にも消えて無くなりそうだった。

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