さらぬわかれ 109

春の陽光が暖かい日。
地元の高校に進学した栄子は、丘の上の桜の下にいた。

「栄子!」
栄子と同じ高校の制服に身を包んだ恒太が、丘を登ってきた。

「恒太、もうすっかり脚治ったね。」
栄子は力強く丘を登りきってきた恒太に微笑みかけた。

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