さらぬわかれ 90

「…うん。私も、恒太のこと好きだよ。もう、気持ちを抑えたりしない。」
栄子は戸惑いつつも、恒太の想いを受け入れた。

「恒太ー、栄子ちゃーん!」
山村夫妻が恒太を追って駆けつけた。

「父さん…母さん。」

「恒太、恒太なのね!!」

波留日と恒孝は、息子の顔を見て、彼の中から亡霊がいなくなったことを理解した。

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