さらぬわかれ 98

「山村の当主…父上に、さくらを山村家で保護してもらえるよう頭を下げた。妻として迎えることは出来ないけれど、さくらをあんな家に嫁がせるよりは良いと思った。しかし、父上は『その娘を保護して、山村家に何の得がある。食い扶持が増えるだけであろう。それに、その娘にお前が、懸想しておることは周りに知れておる。家の恥にしかならぬ。』と言って、聞き入れてもらえなかった。」
恒之新の顔が歪んだ。

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