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hydrangea ─dream─ 後編

「前にもひなたに言われていたのにな…」
ナゴシが小さな声で呟いた。

「ヒナちゃんに?」

「ああ。俺が年齢のこととか、他の男にお前をとられるんじゃないかとか、ひなたに不安を打ち明けたんだ。そしたらひなたに、ゆかりは俺が好きで生まれ変わったんだ、今の俺はゆかりをちゃんと見ていないって怒られたよ。」
ナゴシの力のない笑い声が聞こえてきた。

「…そうなんだ。」

ヒナちゃんは、あおいお姉ちゃんの娘で私と同い年だ。
生まれた時からナゴシと一緒で、2人の絆は私が入っていけないほど強い。

「…ナゴシは私と会えなかったら、ヒナちゃんと恋人になっていた?」
私はイジワルな質問をナゴシに投げ掛けた。

「それは無い!
ひなたは俺にとって大事な人だけど、女の人として好きなのは紫陽ただ1人だけだ。
会えないまま死んでしまったとしても、一生紫陽を思い続けていたよ。」
ナゴシはキッパリと言い切った。

これが電話で良かった。私は顔が真っ赤になってしまった。


【完】

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