さらぬわかれ 29

少し時間をおいて、玄関の戸が開いた。出てきたのは…
「恒太。」
顔色はあまり良くない。
「栄子、こんにちは。見舞い…来てくれたんだ。」
「こんにちは…って、寝てなくていいの?」
思わず栄子は声が大になってしまった。
恒太は一呼吸おいて、「さっき起きたところ」と言った。

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