さらぬわかれ 67

仏間には黒漆の金で彩られた立派な仏壇が置かれていた。
壁には恒太の祖父母やその前の代の人達の肖像画がずらりと飾られている。
栄子は仏間に入るのに気が引ける思いだった。
「栄子、大丈夫だよ。おいで。」
恒太が栄子の手を引いた。
入ってしまえば、意外と平気になった。

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