さらぬわかれ 95

生前の楽しかった頃を、恒之新とさくらは懐かしそうに語った。

「こうやって実際に話を聞いていると、元は普通の人だったんだって思うね…」
栄子は恒太に耳打ちした。

「うん、そうだね。普通の恋人同士だ。」
恒太も栄子と同意見だった。

「でも、2人は心中してしまったんだよね。さくらだけが命を落として、恒之新様は生き残ったけど…。」
栄子は2人に起きた悲劇の理由が気になった。生き残った恒之新が祟りを起こす亡霊になってしまった顛末も…。

ここから先は

277字
この記事のみ ¥ 100

読んで下さり、ありがとうございます。いただいたサポートは、絵を描く画材に使わせていただきます。