さらぬわかれ 106

恒太の言葉にその場にいた皆が凍りついた。

「恒太、何言っているの!そんなことをしたら、また恒之新様に体を乗っ取られるわ!」
波留日は息子の身を案じた。

「大丈夫、俺は自我を保ってみせる。恒之新が俺の中に入れば、恒之新の魂の時間は動くはずだ。さくらが桂さんの中に戻ることで共に生きられる希望を持てれば、さくらを縛り付けている祟りは解消されるはずだ。」
恒太の意志は固かった。

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