さらぬわかれ 49

「私のもとに『あの人』を連れてきてくれれば、もしかしたら桜の木の祟りの縛りが解けるかもしれない。
元々は『あの人』の残留思念が私を桂から引き剥がしたようなものだから。」

「『あの人』って?」
栄子はさくらを質した。とても嫌な予感がする。
「コウノシン様。私と共に逝くはずだったひと。」

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