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メガネ朝帰り【#毎週ショートショートnote】

はぁ、はぁ…
付き合っているのに、あまりにも素っ気ない彼の顔から眼鏡を奪ってきてやった。
スマホの電源も切ってやった。
今宵はこの眼鏡を肴に、自宅でヤケ酒を飲むことにした。

「紫のメタルカラーのフレームか」
眼鏡をかけてみると、頭がくらくらした。

「うわっ、度が強すぎ……」
自分は両目1.5である。すぐに眼鏡を外した。

「困っているかな……」
罪悪感を感じたが、誤魔化すようにビールをいっき飲みした。

一晩ぐらい、私のことで困ればいい。私は眼鏡を愛でながら、酔い潰れて眠ってしまった。

夢の中で、彼が私を見てる。この眼鏡を通して。

そうだ。彼は感情表現こそ苦手だけど、私を見ていてくれた。

私は薄暗い部屋で目を覚ました。眼鏡と目が合った。彼が私を見つめているみたいだ。

はぁ、はぁ…
私は家を飛び出していた。空が白んでいる。

彼のアパートに着き、私は玄関チャイムを鳴らした。彼が出てきた。

「メガネ朝帰り…だな」
彼は見づらそうに目を細めながら微笑った。


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