さらぬわかれ 44

 安堵したのは、束の間だった。

 席に着くと、恒太は隣の鈴原と何か話していた。昨日のノートを取り出したから、借りたお礼を言っているのだろう。
 それだけのはずなのに、栄子はモヤモヤしていた。

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