さらぬわかれ 86
「お姉ちゃんが死んじゃうなんて、そんなの嫌だ!」
栄子はその場にうずくまって泣いた。
さくらは栄子が泣いているのを、ただ眺めているしか出来なかった。
さくらの魂が桂に還る為には、恒之新の魂をこの場所に連れてこなければならない。
しかし、恒之新は恒太の肉体を乗っ取ってしまい、実の親に刀を振るうという暴挙を起こした。
連れてこられたとしても、本当に桂が目覚めるかどうかは確実ではない。
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