さらぬわかれ 83

栄子は救急車を呼んだ後、両親に電話をかけた。
彼らとまともな会話をしたのは、何年ぶりだっただろうか。

こういう時、栄子の側にはいつも恒太がいてくれた。
しかし、恒太は先祖に体を乗っ取られていて身動きが取れない。

足から崩れ落ちそうなのを耐えながら、栄子は桂に付き添って救急車に乗り込んだ。

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