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足りない料理店|#完成された物語

今回は発想縛りのショートショートにチャレンジしました。

ガシャーン!
新装開店前日の料理店にお皿が割れる音が響いた。

「す、すいません!皿、全部割ってしまいましたぁ!!」
アルバイトスタッフが必死に頭を下げている。
「どうすんだ、開店は明日だぞ!
皿を買い直すにも、資金がないし。」
店長は頭を抱えてしまった。

「じゃあ、こうすれば良いじゃないですか。」
別のアルバイトが思いついたこととは──

次の日の午前10時、料理店は開店した。
通りすがった人々は驚いた。
「何だ、この張り紙。
『うちの料理店にはお皿がありません。
お客様のお皿の大きさに合わせて、料理を盛りつけます。』だって!?」

お昼時、めいめいにお皿を持った客が店の前に行列を作った。
ある人は普通の皿、ある人はタッパー、ある人は大皿を持ってきた。
どんなに大きさがバラバラでも値段は一律だった。

そのうち客は鍋を持ってくるようになった。
「ダンナには私が作ったことにして出しているの。内緒ね。」


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さくらゆき
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