さらぬわかれ 85

栄子は、両親に気付かれないよう、そっと病院を立ち去った。

深夜の村は、昼間と違って、闇の中で魔物が蠢いていそうだった。

それでも、栄子は行かなくてはならなかった。
さくらの元へ。
大事な人達を失わない為に──

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