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夢見るそれいゆ 259

海宝さんの真剣な眼差しに、私は正直に話さないといけないと思った。

「……彼女は、私の親友でした。今は、どう思われているのか分からなくなってしまったけれど」

弓道場の外からは、蝉の鳴き声が聞こえてくる。

「何か訳ありのようですね。私で良ければ話を聞きます。まったく知らない人間の方が話しやすいこともあるでしょう。もちろん、他言はしません」

私は國吉先輩に目を遣った。國吉先輩は的に集中していて、私たちがいることに気付いていない。

「海宝さん、場所を変えませんか?」
弓道場では、学校の人や國吉先輩に話を聞かれてしまう。

私たちは、弓道場を出て、隣にある学習ホールの使われていない一室に移動した。私が扉を閉めようとすると、海宝さんはそれを制した。

「学習室の扉は開けておきましょう。男女が2人きり、密室にならない方が良いでしょう」
海宝さんは私を扉側に立たせた。それは私に対しての配慮だった。

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