さらぬわかれ 39

 栄子が恒太を急いでベッドに横たわらせたすぐ後、波留日が部屋に入ってきた。
「あら、栄子ちゃん。久しぶり。」
「こんにちは、波留日さん。お久しぶりです。」

(さっきの見られなくて良かった~!)
 栄子は内心ドキドキしていた。さすがに恒太との密着現場を彼の母親に見られるのは、下心がなくても気まずい。

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