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さくらゆき
2021年12月1日 18:51
「オジサン、誰?」 この村は小さいから、「祟りの子」と呼ばれている栄子を知らない人の方が珍しい。 逆に栄子だって住んでいる村人を把握している。 値段の高そうなスーツを着ている人間なんて、栄子がこの村に引っ越してきてからはじめて見た。 ニコニコしているけど、どこか胡散臭い雰囲気である。
2021年12月8日 15:34
「怖い顔をしないで。別に君をいじめようなんて思ってないからさ、ここの村人みたいに。」恒孝は栄子が村人から疎外されていることを知っているようだ。「僕はむしろ君の手伝いをしたいんだ。君はお姉さんの『祟り』を何とかしたいのだろう?」「何でそれを…。」栄子はうっかり動揺してしまった。恒孝は栄子に揺さぶりをかけたのだ。
2021年12月15日 12:20
「ただ、条件がある。うちの恒太に、この村を出て東京の高校を受験するように君から頼んでくれないか?」 恒孝の狙いは栄子ではなく恒太だった。
2021年12月22日 16:21
「こ…恒太。苦し!」 恒太に引っ張られ全力で走ったので、栄子は息が切れてしまった。「ゴメン。」 栄子の声に我に返った恒太は、ようやく走るのを止めた。 しかし恒太は栄子の手を離そうとはしなかった。
2021年12月29日 18:38
恒太はしばらく「うーん。」と唸っていた。幽霊の話という時点で、信用性に欠けている。「…栄子は嘘が下手だし、きっと本当なんだろうな。」栄子の話は、恒太に何とか納得してもらえたようだ。