見出し画像

エクアドルのおじさん

私の父方のおばあちゃんには11歳離れた弟がいます。
私にとってはおじさんです。おじさんは今エクアドルにいるそうです。
多分。

しかし、私は一度も会ったことがありません。
私が産まれる前数年前に魚沼に一度来たそうです。
この5行の分だけでも伝わるかと思いますが、西加奈子の作品に出てきそうなキャラの濃いおじさんです。

おじさんは終戦の時ぐらいに生まれたと聞きました。
うちのおばあちゃんは戦時中、サイパン島にいて、
そこから引き上げてくるときにおじさんはお腹の中にいたそうなので、多分そのくらいです。

そんな過酷の状況の中、産まれたおじさんは普通にクレイジーです。
とりあえずはじめに私が知っているおじさん情報を話したいと思います。

①おじさんは理容師らしい
おじさんは昔日本で床屋さんを営んでいたそうです。
父から聞いた話だと、技術はもちろん経営がうまかったそうです。
恐るべし、おじさん。

②おじさんはどこでも歌うらしい。
おじさんはどこでも歌うみたいです。
昔、私のお父さんとお父さんの弟が小学生のころ、おじさんに連れられて横浜に遊びに行ったことあるそうです。
激混みの横浜についておじさんは「じゃあこれから、案内しますね」と一声かけて、人をかき分けながら「いとしのエリー」を大声で歌っていたそうです。父たちは恥ずかしくて、ずっと顔を隠していたそうです(笑)

そんな父も先日、一緒にサカキヤに行った際にサザンの曲を熱唱しながら店に入っていきました(笑)近くのおばあちゃんにガン見されました。

③おじさんは葬式でもピースするらしい。
私が産まれる前にひいばあちゃんは亡くなりましたが、その葬式でもおじさんは終始いつもの調子だったみたいです。
亡くなったひいばあちゃんの隣でピースしてました(笑)

おじさん、凄いですね。(笑)


私はこれぐらいの情報しかないのですが、

いろんなことを経験したおじさんが私の父に伝えた言葉。
私も大切にしている言葉があります。


「堀之内で楽しく生きることだけ考えればいいんだよ。」


私はこの言葉に救われた、助けられた気がします。
おじさんは日本だけではなく、世界のいろんなものを見たと思います。
そんな中、自分の姉が嫁いだ小さな堀之内というまちに住む父に
決して楽ではない生活におじさんは新たな提案をしてくれたと思います。

私は一時期、魚沼や堀之内に住むことに絶望感といいますか
檻の中に入っているような気がしていました。

魚沼や堀之内には都会や世界に比べ、選択肢が少ないなと感じていました。

ですが、楽しく生きることにフォーカスを当てると世界は変わっていく気がします。
楽しく生きるには「できる、できない」とかじゃなくて「やってみる、突き進んでみること」だと思います。

世界から見れば魚沼市や堀之内はほんとに小さな世界です。
だけど、常識や固定概念から私は楽しく生きることをあきらめたくないし、
魚沼、堀之内だからこそ楽しく過ごせることもあると思います。

結果がすべてなこの世の中で、結果だけを求めない。
意外と難しいことかもしれませんが、おじさんの一言で勇気と希望を持つことができました。

おじさん、ありがとう。





この記事が参加している募集

多様性を考える

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?