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覚えていますか?バウリンガル、ホームスターなど2000年代前半に流行したおもちゃ

この連載では、昭和27(1952)年から平成19(2007)年まで55年間続いたおもちゃ屋「さくらトイス」の2代目社長を務めた私が、おもちゃ屋の歩みや懐かしいおもちゃのお話を書いています。

今回は平成13(2001)年から平成17(2005)年までのおもちゃの紹介です。 
 
この時期はビックカメラ・ヨドバシカメラ等の異業種が玩具の扱いを拡大していきました。また、今まで玩具業界を支えてきた大きな問屋さんが倒産したり、バンダイとナムコが統合したり、アマゾンジャパンが玩具通販を開始したりと、業界としては波乱の5年間です。 


平成13年、ベイブレードが登場

平成13(2001)年、タカラから、今でも話題を呼んでいるベイブレードが発売されました。 
それまでもタカラは低単価で男の子が喜びそうなヒット商品を沢山出してきました。ベイブレードを一目見て、当社の店長たちも「これはいける」と感じました。 
低単価で買い求めやすく、小さな子どもでもコマを回せる。そして、タカラの得意なカスタマイズができる。 
ベイブレードは玩具専門店にとってドンピシャな商品でしたが、流行り過ぎて品薄となり、商品確保には苦労しました。
 
また、この年「ハリーポッターと賢者の石」の映画が公開され、グッズが発売されました。 
昨年(2023年)、東京の「としまえん」跡地に、映画の世界を体験できる「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京」がオープンするなど、現在でも人気ですね。

平成14年、バウリンガルなどICチップ使用のおもちゃが話題に

平成14(2002)年はムシキングの筐体(ゲーム機)が流行りました。 
当店もゲーム機を設置しましたが、並び順や、遊んでいる人がなかなか終わらないなど、お客様同士のトラブルも多く、店なりのルールを決めて貼り出したりしました。 
 
ICチップを使用したおもちゃも沢山開発されてきて、セガトイズから本物そっくりな「夢ネコ」、タカラから犬の言葉を翻訳できる「バウリンガル」、トミーからは女子学生に流行っていたプリクラを手軽に楽しめる「おうちでプリクラ」など、各社画期的なおもちゃが販売されました。タカラからは、実際に乗れるチョロQ「Q‐CAR」まで発売されました。 

画像は「トイジャーナル」よりお借りしました

平成15年、癒し系おもちゃ「のほほん族」が登場

平成15年(2003)年はタカラから「デュエル・マスターズ」カードが発売されました。 今も人気で現在はタカラトミーから発売されています。 

トミーからはの~んびり頭を動かす「のほほん族」が売り出されました。電池を使わずソーラーバッテリーになっているので、ほぼ一日中動いています。坊主頭のゆっくりした動きに心が癒されます。 

画像は「トイジャーナル」より

この年のテレビ番組で流行った「へえーボタン」も発売されました。私も購入し家で主人の話に「へえー」を鳴らして遊びました。 
発売された当初から売り切れが続き、持ち歩けるマスコット型の「へえーボタン」も発売されました。 
 
この年はヒット商品が多く発売され、年末には「ポケモンルビーサファイア」のソフトが発売され商品確保に苦労しました。多分お客様のほうでは、商品を探し回り、購入に苦労された事と思います。 

平成16年、「任天堂DS」と「PS2」の時代に

平成16(2004)年はゲーム機「任天堂DS」と「PS2」が発売されました。 
特に任天堂DSは商品確保が難しく、各店ではもちろんの事、本部でも商品確保に動きました。 
 
ある日、問屋さんから「本部へ〇〇カートン届きます」と連絡がありました。各店への配分も決め入荷を待っていると、入ってきたカートン数が2カートン足りません。伝票とカートン数が一致しないのです。途中で無くなってしまいました。 
運送会社はどう弁償して下さるのかしら・・・?と思いました。売れ筋商品なので、販売料金を頂いても、お客様に行き渡らない分会社の損失になってしまいます。かと言って、代わりの商品確保は、私たちおもちゃ屋でさえ大変なのに運送会社ではできないと思いました。「少し時間を下さい」と言うことでしたので「クリスマス前までには返事を下さい」と答えたら、クリスマス前に2カートン用意されました。確か無くなったDSと色が違っていましたので、どこかで調達されたのだと思います。大手運送屋さんの力を知りました。 
 
そう言えば、問屋ハピネットが「たまごっち」を本部に送ってくるときに、たまごっちの印刷された段ボールの外にもう一つ無地の段ボールを被せて送っていました。ハピネットに聞いたら「運送途中で商品が紛失してしまうことがあるので、経費が掛かるけど中身が分からないようにしています」と言っていました。異常なヒット商品が出るおもちゃ業界ならではの事ですね。 
 
この年からアマゾンジャパンの玩具通販が開始されました。 

平成17年、TV通販で広まった「ホームスター」

平成17(2005)年はセガトイズから「ホームスター」が発売されました。 
家の天井に夜空が広がる画期的な商品です。 
値段がおもちゃとしてはそれなりに高かったので売れるか心配でしたが、大ヒットになりました。テレビ通販でお馴染みのジャパネットたかたがホームスターを販売した事も、要因の一つと思います。何故ならお客様の商品認知度が上がり、番組内で説明をして天井に星空が映っている様子も見せてくれるので、当社でもお客様の指名買いがあり助かっていました。
しかし、1回放映の販売数量が桁違いです。そちらに商品が行ってしまい、私たち小売店に回る数が少なくなって、これまた商品確保に苦労しました。

画像は「トイジャーナル」より

また、タカラから手のひらサイズのトコトコ歩くカメ「ウォーキービッツ」が発売されました。 
 
この年には、バンダイがナムコと統合してビックリしたことを覚えています。翌年にはタカラとトミーが合併して、またまたビックリ。まさに激動の時代だったと思います。


昭和27(1952)年から55年間続いたおもちゃ屋「さくらトイス」の思い出話を毎月更新しています。こちらもぜひご覧くださいね。

編集協力:小窓舎

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