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高齢独裁者はそれほど怖くない。もうじき死ぬ。

金正恩、サダム・フセイン、カダフィ、ヒトラーとは違う。

プーチンは69歳だ。あと10年ほどで死ぬでしょう。私は、プーチンはウクライナを盗ると思っています。彼は、ウクライナと言うよりは是非とも黒海が欲しい。NATOは対抗するだろうが、バイデン政権は弱すぎる。

 でも、その先の覇権を狙うにはプーチンは年寄りすぎる。おそらく狙うだろう。プーチンには失うものがない。しかし時間が足りない。

 そして、そのことは、ロシアの潜在的同盟国も理解している。したがって彼の味方にはならないでしょう。今からロシアの同盟国になったら、世界の民主主義国家を敵に回すことになる。経済的に破綻する。

 世界の指導者は冷酷でリアリストだ。老馬に賭けたりしない。どれほど有能でも老人は頼りにならない。そして現ロシアの力の源泉はプーチン個人だ。他に強みはない。

 しかるに、プーチンがウクライナを盗ったら、実は自由主義陣営には好都合だ。ヒトラー/スターリンの再来と言えば、各国の国民がロシア攻撃に賛同する。総力戦でロシアを潰せるでしょう。
 現代戦は国家総力戦なので、国民の同意が欠かせない。しかしその同意を得るのは非常に難しい。誰しも戦争は嫌いだからだ。

 要するに、ウクライナは21世紀の真珠湾だ。襲ってくれれば、好都合なのです。

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上記のことは、実はXiにも、多くが当てはまる。

Xiは68歳でプーチンと1歳しか違わない。もうじき死ぬ独裁者だ。

そして台湾を狙っている。しかるに台湾は中国にとっての真珠湾だ。台湾を盗ったら自由主義国が総力でXiを潰しにかかる。

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 ただし、Xiがプーチンと異なる点がある。Xiは弱い。おそらくはXiは中国共産党(軍を含む)を十分に支配しているわけではない。カリスマ性もないし、外交も下手だ。

 逆に言えば、Xiが死んでも中国共産党の勢いは止まらない可能性が高い。

 独裁者Xiは怖くないが、中国共産党は危険だ。もっと言うと、真の脅威は中国人民解放戦線の主要幹部でしょう。中国は暴力が支配する国家であり、最後は武力を持つものが勝つ。現状でも、地方の経済を動かしているのは、各地方の軍部だ。企業を運営し利益を吸い上げ、官僚機構を動かしている。

200万人の兵士を瞬時に動かせる人々は、危険極まりないのだ。

鄧小平以来、世界は忘れがちだが、中国は共産主義国だ。物を言うのは経済ではない。武力だ。それも海空の戦力ではなく、人民を制圧できる歩兵を持つ組織が一番強い。

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結論

 プーチンは危険だが、Xiへの対抗措置の方が優先度が高い。Xiはそのうちに死ぬが、あとを人民解放軍が引き継ぐだろう。

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 ただし、上記は想定すべき危険なシナリオの一つです。最も危険ではあるが、最も起こりそうなシナリオというわけではない。

 実際に起こりそうなシナリオは以下だと思います。

 Xiは台湾、南シナ海への侵攻をわかりやすく世界に示しているが、これは国民の目を国内問題(というかXiの問題)からそらすためでしょう。歴史的には定石とも言える戦略だ。

 中国の強引な資本主義化はもう限界だ。最初からわかってはいたが共産主義(というか共産主義政権)と資本主義経済を同居させるのは無茶だ。
 どちらかは破綻する。当然のごとくXiは保身、つまり経済破綻を選ぶ。そこで「きれいに」経済を破綻させなければならない。その手段が「戦争」だ。

 「資本主義社会と<戦争>になって、残念ながら負けた。経済が破綻したのは欧米が原因であって、悪いのは私ではない。だから革命は起こすな。」
 これがXiの落とし所だろうと、私は思います。

 Xiにしてみれば、中国が「でかい北朝鮮」になるのが最も好都合です。

 



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