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スマート爆弾の登場で大規模陸上戦闘は不可能になった。

 橋、トンネル、鉄道はあまりにも簡単に破壊できる。兵站線を維持できない。
 精密爆撃、空対地ミサイル、巡航ミサイルで攻撃されたら、防御はほぼ不可能だ。(注0)

注0:監視(偵察)能力の発達した現代戦では、固定目標(位置が判明している目標)は、ほぼ防御不能だ。隠せないし逃げられない。だから戦略ミサイルも地下サイロから潜水艦に移った。
 砲兵も機動力重視だ。撃ったら弾道を逆に辿られて、すぐに反撃が来る。(ロケット、ミサイル、空爆はそれがないのが利点の一つ)
 空母打撃群が強い理由でもある。空母は基本的にどこにいるのかわからない。

 海路は有利。海は破壊できない。船は大量物資の運搬に最適だ。
 そして経路を自由に選べる。敵にしてみれば、位置が不明なら攻撃不能。
 また、防御側が米軍や自衛隊のように早期警戒機を持っている場合には、制空権を取らない限りは、攻撃側は隠れることができない。索敵すらできない。
 唯一の対抗手段は潜水艦戦だ。つまり旧ドイツ軍がやったUボートによる補給船攻撃だ。
 しかしこれも相手が米軍や自衛隊のように、強力な対潜水艦戦部隊を持っている場合には、どうにもならない。

 そして現代戦は膨大な物資を必要とする(注0.5)。

 実際に、ベトナム戦争以降は大規模地上戦闘はほとんどない(注1)。

注0.5:燃料と弾薬だけではない。情報戦にはレーダーやドローン、大量の電子機器が必要。それらにはオペレーターと整備員が必要だし、情報があれば分析官が必要だ。
 そしてハイテク兵器にも整備機材と整備員が不可欠。
 そして彼らのような後方要員も飯を食うし、寝床と移動手段も必要だ。
 注1:例外はイラクぐらいだ。あれは米軍の並外れた兵站能力があってこそ。
 そして砂漠は(やろうと思えば)どこでも走れる。あれは海のようなものだ。 橋もトンネルも鉄道もない。道路を破壊しても容易に迂回できる。
 なおかつ、イラクでは地上戦はほとんどなかった。米軍は徹底して空爆を行った。空軍基地への補給は楽だったからだろう。
 砂漠にいる機甲部隊に物資を届けるのは難しい。

 また、米軍は精密爆撃・誘導兵器が大好きだ。理由の一つは弾薬の量が極度に少なくて済むからだろう。
 第2次イラク戦争は対戦車ヘリ(AH-64)が主戦力だったらしい。あれは優秀な対地ミサイルがあればこそだ。ヘリの兵器搭載量は非常に少ない。せいぜい1000kgで固定翼機の10分の1しかない。
 主力兵器の対戦車ミサイル(ヘルファイア)の重量はわずか50kgだ。一方、F-15Eなどが使う典型的な爆弾は500~1000ポンド(250~500kg)もある。

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つまり、現代の戦場は海、または沿岸部だ。

具体的な話をすると、中国ーロシア国境は戦場にならない。双方とも補給がほとんど不可能だからだ。例えばロシアの補給線はシベリア鉄道しか無い。

中国ーインド国境も同じだ。山岳部を走る道路しか無く、あんなものは開戦と同時に橋とトンネルを破壊されて終わりだ。

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別の言い方をすると、現代では陸軍国は無力に等しい。中国とロシアのことだ。

逆に典型的な海軍国が米国と英国。

そして実は日本だ。原子力艦がないのと憲法の縛りで大洋には出られないが、日本近海に限っては相当に強い。

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まとめ(?)

中国人民解放軍は張子の虎だ。

基本的に実戦経験がほとんどない。特に空軍と海軍は皆無に等しい。

そして彼らに戦い方を教える国が存在しない。日本とは違う。自衛隊は米軍と共同演習をやっているが、あれは米軍が自衛隊に「実戦」を教えているのだ。

陸軍も、戦車戦の経験がないし、対戦車ヘリの実戦経験もない。彼らの実績と言えば、歩兵戦だけだ。歩いて行って人海戦術で押しつぶす。これしかやったことがない。歩兵だけはとにかく大量にいる。200万人と言われているが、必要ならばさらに10倍を動員できるだろう。

 しかし、歩兵がどれだけいようとも、米海軍と米空軍に勝つことは不可能だ(笑)

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