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災害時の循環器疾患:たこつぼ症候群等

年明けから、能登での津波災害を伴う震災、羽田空港の事故と心が痛む出来事が続きました。これまでにも度々、日本は震災が起こり、それを通じて、災害医療の知見も蓄積されています。災害関連死の予防にこれまでの知見が役に立つことを願っています。

発災から間もなく一週間となります。またこの3連休に寒波の襲来も予想され、災害関連の循環器疾患の発症リスクが高まってくる時期です。

そのような災害関連の循環器疾患のひとつに、たこつぼ症候群(たこつぼ型心筋症)というものがあります。2007年当時の自分も、当時の知見として、ブログに挙げていました。こちらです。

日本内科学会からは、災害時の循環器疾患をまとめたわかりやすい記事がでていますので、本稿ではその記事の紹介したいと思います。

災害時の循環器疾患:内科診療の留意点

苅尾七臣先生の記事


上記引用記事中の図表を転記

循環器疾患の発症には、交感神経の高ぶりがその上流にあるというメカニズムです。その交感神経の高ぶりを少しでもリセットの方向に向けさせるには、まずは、自分の今の心身の状態を、もう一人の自分がモニタリングする感覚(自己俯瞰の感覚)が重要だと私は思っています。

「ああ~、今高まっているな」

と脳内実況中継する気分で、その交感神経の高まりを、自分の脳内で言語化するだけでも、いったんモードが切り替わること(=交感神経の高ぶりからの一次的脱却)が期待できます。気づくことができたら、そんな自分を自分で優しく労わってあげること(セルフコンパッションの感覚)ができれば、なおよいかと思います。

このような循環器疾患の発症リスクは、被災者のみならず、援助者にも同様にあります。援助する側も、当然に交感神経の高ぶりがあることは容易に推測できますからね。頑張る、休む のメリハリを意識しておくことも大切なんだろうと思います。

災害関連死が少しでも減ることを願っています。ありがとうございました。