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ふくい発酵ツーリズムオンライントークショー!(前篇)幽玄な夜のあさみゅー探訪!

2024年(令和6年)春の北陸新幹線福井・敦賀開業まであと一年四か月。また2026年春には、中部縦貫自動車道も県内区間が全線開通、アクセスもますます便利になり、今以上に福井に訪れやすくなります。
そこでPRしたいひとつが「福井の食」。

なかでも、福井に古くから根付いている「発酵食」には、まだまだ知られていない魅力や面白さがいっぱいです。

そんな発酵食をより多くの方に知っていただき、福井に訪れるきっかけにしていただこうと、10月1日に開館したばかりの福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館(愛称:あさみゅー)の原寸再現「朝倉館」にて、発酵と福井の魅力をテーマに、発酵エキスパート小倉ヒラクさんと、古くから伝統的な発酵食品を手がけて
いらっしゃるお二人をお迎えして、トークショーが開催されました。

福井県地域ものがたるアンバサダーとして会場参加させていただいたときの模様を、前篇・後篇でお知らせしたいと思います。


YouTubeのアーカイブ配信も、ぜひぜひ、ご覧ください!

まずはじめに、トークショーが始まるまで学芸員さんがご案内くださった、夜のあさみゅー(夜みゅー)を、ご紹介したいと思います。

夜のあさみゅーの外観

(※福井県観光連盟様のwebサイトよりお写真をお借りしています。)

目次

▶はじめに~一乗谷朝倉氏遺跡とは~
▶みどころダイジェスト~①笏谷石のおもてなしエントランス
▶︎みどころダイジェスト~②あさみゅーチェックをチェックしよう
▶︎みどころダイジェスト~③遺構の謎解きに思いを馳せて
▶みどころダイジェスト~④城下町と一体化!精巧なジオラマ
▶︎みどころダイジェスト~⑤原寸再現!朝倉館

令和4年10月1日に開館した「福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館」(あさみゅー)は、もう行かれましたか?「福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館」は、日本を代表とする中世遺跡都市、一乗谷朝倉氏遺跡を体感しながら楽しく学べるミュージアムとして、国内外から注目されています。
まずはじめに、開館の展示内容である一乗谷朝倉氏遺跡について、おさらいをしておきたい思います。

一乗谷朝倉氏遺跡とは?

▶現在の福井市街地から10キロほど、車で20分ほどの場所にある一乗谷は、三方を山に囲まれた自然の要塞の地形を活かしながら街道や水運を巧みに利用、1471年から、越前朝倉氏が五代103年間にわたり、ここを本拠地として、越前の国を統治していた史跡です。

▶当時は一万人も住む大都市で、京都や奈良から公家や学者など著名人も訪れ「北の京」とも呼ばれ栄華を誇りました。

▶1573年に織田信長との戦いに敗れ、城下町は燃やされて灰燼となり地中に深く眠ったままになっていましたが、1967年に初めて本格的な発掘調査が行われ、極めて重要な歴史価値があると認められました。
以来、今日まで50年以上にわたって丁寧な発掘調査と整備が続けられ、戦国時代の街並みが当時の姿を残して発掘され、約400年ぶりに深い眠りから目を覚ましました。同時に、生活文化を物語る道具など170万点にも及ぶ歴史遺産が発見されました。

一乗谷朝倉氏遺跡は、戦国時代の城下町全体が遺跡となって残された、全国でもまれな大規模遺跡で国から「特別史跡」「特別名勝」、出土品は「重要文化財」という3つの指定を受けています

3つの指定を受けているのは全国でも6例のみ。(一乗谷朝倉氏遺跡、金閣寺、銀閣寺、醍醐寺、厳島神社、平城京跡)令和元年には新たに「石」という観点から、日本遺産にも認定されました。





全国に6例だけの特別史跡」「特別名勝」、「重要文化財」認定の史跡がふるさと福井にあるなんて、誇らしい気持ちです!

いったん信長との戦いで滅ぼされてしまったにもかかわらず、400年もの時を超えて、城下町全体が当時の姿を残して現代に蘇ったなんて、奇跡の遺跡ではないでしょうか。そんなところにもドラマチックさと、朝倉氏一族の凄みを感じます。

昭和42年以来、遺跡の発掘と整備にご尽力を続けてくださっている方々のおかげで、時を経て私たちも出会えたのですね。
展示期間内に再訪して、次回は開館記念特別展の「発掘調査の歩み」も合わせて観覧、この50年の調査の歩みとこれからの展望を知っておきたいと思いました。

▼開館記念特別展の「発掘調査の歩み」
2022年10月1日~2023年1月31日まで 

では、館内のみどころダイジェスト版を、ご紹介していきますね!

▶︎みどころダイジェスト
①笏谷石のおもてなしエントランス

入ってすぐに、来場者を迎えてくれるのが、笏谷石(しゃくだにいし)のエントランス。磨きあげられた、ふくいブルーの笏谷石を贅沢に使った一枚づくりのカウンターです。手触りもなめらか、つやつやで癒されます。

笏谷石とは

約1600万年前の火山活動で降りつもった灰が固まってできた緑色凝灰石で、水に濡れると青色に変化することから「越前青石」とも呼ばれています。
福井県福井市の足羽山の笏谷付近を中心に産出しており、採掘跡がみられます。
  • 笏谷石一乗谷朝倉氏遺跡のご縁は深く、遺跡の石造物や出土品のほとんどが足羽山産の笏谷石で、朝倉館の井戸枠や石臼、屋根の上にも使われていたそうで、一乗谷のまちづくりに、大きな影響を与えていました。


足羽山でなじみのあった笏谷石が、一乗谷に運ばれていたなんて。つながりの解像度があがっていく面白さを感じます。「石」を中心とした歴史のストーリは、日本遺産「福井・勝山石がたり」にもなっています。

笏谷石のほかに、木をたっぷり使った内部空間に目がいきました。福井でよく植樹されている県産の杉が使われているそうです。あさみゅーは、福井県三方(みかた)にある福井県年縞博物館(ふくいけんねんこうはくぶつかん)を手掛けた建築家・内藤廣氏が設計されました。年縞博物館を観覧したときに、学芸員の方が内藤廣さんの建築は天井の架構が特徴的で、あさみゅーも同様だと関係者の方から伺えました。建築のことは門外漢ですが、ただただ美しいなあと感じました。

あさみゅーの天井です。

石と木。違う素材でありながらも、調和しあって、温かみのある福井県のイメージを伝えてくだっていると思います。

皆さまも今度行かれたらぜひ、エントランスの笏谷石や館内の内部空間の木にも、注目してみてくださいね。

▶みどころダイジェスト
②あさみゅーチェックをチェックしよう!

さて、ミュージアムショップをまわってみますね。ここでは約120点もの商品が予定されて、デザインもモダンなものがたくさん!

オススメは、朝倉義景が、茶道で使用していた「朝倉間道」(あさくらかんとう)をアレンジしたあさみゅーチェックの商品です。クリアファイルやポストカードなどがあります。

あさみゅーチェック

「朝倉間道」は、本来は赤い色のみでしたが、黄色と青も、オリジナルで作成したそうです。ぱっと目を惹く上品でおしゃれな模様。
 義景氏の雅さが伝わってきますね。
あさみゅーチエックのノートやハンカチ、Tシャツやお買い物袋なども、今後増えてくると嬉しいですね。

▶みどころダイジェスト
③遺構(いこう)の謎解きに、思いを馳せて

プロローグでもかなり楽しみましたが、ようやく博物館1階の遺構展示室に入ります。

とても迫力があります❣

長さ38メートル、幅5.6メートルの石敷遺構(いしじきいこう)の露出展示です。

発掘調査でみつかった遺構が、掘り出したままの姿で公開されているのは、凄いことですね。

この遺構は、何に使われていたものでしょうか?

実物と当時の様子をイラストにした図が、同じアングルで対比できて、わかりやすい解説もついているのでぜひ、あさみゅーで、謎解きしてみてくださいね。

遺構が発掘された一乗谷朝倉氏遺跡博物館一帯の安波賀地区は、戦国時代は流通の大動脈、城下町一乗谷と外界の接点で川湊もあり、船着き場のまわりには市場も開かれ、にぎわい見物に京都の公家も訪れるほどだったそうです。

足羽山の笏谷石が足羽川の水運を利用して九頭竜川から三国湊に、そして安波賀の湊に運ばれていたことなどを想像すると、福井の地形のダイナミズムに、ワクワクしてきます。

福井の一乗谷と周辺のつながりについて

遺構の江戸時代中期の頃は、一時的に井戸を備えた施設がおかれていて、アブラギリの実が大量に出土しているそうです。以前、殿下地区でいただいた「葉ずし」を包んでいた葉っぱが、アブラギリでした。

そんなキーワードからも
周辺との地域のつながりを想像できて、楽しいですね。石敷遺構の威容からは歴史ロマンがよみがえり、感動が伝わってきます。

▶みどころダイジェスト
④城下町と一体化!精巧なジオラマ

2階も木がふんだんに使われています。

さて、2階へ。
基本展示室があり、朝倉氏の歴史と城下町一乗谷について、約170万点の豊富な出土品をもとに展示紹介しています。
出土品は、16世紀に刀装具のひとつであった国指定重要文化財の金製の獅子型の目貫をはじめ、医師の屋敷あとから出土した輸入陶磁器、古文書などもあります。


解説をしてくださっています
これ知ってる❓

雪国の雪がきに欠かせない「ばんば」。いまでこそ実家では使うことはないのですが、私の小さいときは、使っていましたよ。まさか400年前から使われていたなんて。しかも発掘された状態もきれいですね。これを使って、城下町の人は雪かきしていたのでしょうか。

解説の言葉もわかりやすく丁寧に詳しく解説してくださっているので、自然と頭に入って興味もわいてきます。

それに、日本ではじめてトイレの遺構が発見されたのも一乗谷朝倉氏遺跡なんですって!当時の町の文化度の高さを物語っていますね。


そして、中央にあるのは遺跡内の城下町を30分の一のスケールで再現した精巧な巨大ジオラマです。こちらも凄いですね。お子さんも喜びそうですね。

のれんや食器も再現!話している
表情も伝わってきます。

一乗谷の城下町の町づくりは道路から始まったらしく、東西南北に規則的な町割りができており、住んでいる人口は一万人をくだらなかったそうです。

ジオラマでも南北の道路沿いに商人や職人の町家、山側に寺院や武家屋敷があり、いきいきとした当時の暮らしぶりが伝わってきます。

発掘調査で発見した燃え残った柱や戸の引き手などから、当時の町の規模や間取りなどまでもこんなに精密に、しかも人のぬくもりの感じるままに再現されたことに感動してしまいました。

義景公になりきり、山側から城下町を
眺めてみるのも一興ですね。

年齢を問わず、楽しくユニバーサルに学べるようにさまざまな工夫がされています。目線のところにあるパネルは、見たい場所をタッチすると、映像に切り替わり、解説へとつながります。

ジオラマの人物がクローズアップされ、解説や出土品が照らし合わせられるようになっています。

ガイドアプリを活用、時空を超えて
なりきれる

ジオラマ体験のあとは、実際に朝倉氏遺跡の平面復元地区の町並みを歩いてみたり、一乗谷朝倉氏遺跡のガイドアプリ「戦国時空伝~一乗谷戦国まち歩き」または「戦国浪漫」のガイドアプリをダウンロード、巡ってみてはいかがでしょうか。アプリは無料でスマホからダウンロードできます。私もどちらも体験してみました。

「戦国時空伝」は、学芸員さんの声による解説があったり、アプリの地図上にAR・VR技術でアプリに登場する戦国時代の人と一緒に記念撮影ができたり、リアルに朝倉館や当時の遺構を最新技術で閲覧することができたり、銭集めスポットがあったりなど、様々なコンテンツがあります。

「戦国浪漫一乗谷」
も、GPSと連動して一乗城山を登山できたり、遺跡内を散策できたり、朝倉氏遺跡のキャラ「朝倉ゆめまる」くんや「からもん」くんと、写真撮影ができます。

(アプリを見ながら朝倉氏遺跡を訪ねられるときは、交通や足元にご注意ください。)

https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/bunshin/app.html

戦国浪漫一乗谷アプリ
戦国時空伝アプリ

朝倉家の目を見張るほど達筆な家訓の古文書はじめ、じっくり見たい興味深い出土品ばかりなのですが、和食の福井として、五代当主朝倉義景氏が足利義昭をもてなすために用意したご膳のメニューもぜひ、ご紹介させていただきたいと思います。



朝倉氏のごちそうのメニューです!


なんと17品もあり、鮎のすし、ヒバリや焼き鳥、数の子、からすみ、ふか、鯛、ようかんなどなどなど、書ききれないほどの、美食の数々に驚きました。ふくいの食の豊かさも感じられます。

▶︎みどころダイジェスト~⑤原寸再現!朝倉館

さて、次はいよいよ今回の会場である「朝倉館」です。まだ木の香りが漂う大変、気持ちの良い空間です。
朝倉館は、朝倉義景が住んでいた当主の館のうち、会所と呼ばれる建物の十二間や、小座敷、中庭を原寸大、当時そのままで再現、戦国大名の暮らしぶりが体現できます。
義景公の美意識や暮らしぶり、一乗谷の文化にひたってみてくださいね。

〇障壁画〇


消失した朝倉館に描かれた障壁画の再現は、朝倉氏お抱えの絵師と同じ曽我派の絵師が描いた障壁画の中で唯一の現存といわれる大徳寺真珠庵の「四季花鳥図」をお手本に復元されました。 
越前和紙の上で繰り広げられる障壁画プロジェクトとして、京都・嵯峨美術大学の協力のもとに、緻密な工程で復元されたそうです。
ともしびのゆらめきが美しいですね!

〇日本最古の花壇〇

室町時代の足利将軍や公家たちは、好んで花壇をつくらせたそうで、朝倉館の中心にも、花壇が備えられています。


花壇のまわりの石にも、当時は笏谷石が使われていたそうです。
朝倉館でも、越前和紙で作られた福井県の花、スイセンなどが飾られて、とても美しく心がすーっと落ちつく空間でした。

この写真からはみえにくいのですが、屋根の上の青い石も、当時、笏谷石が使われていたそうです。(ここではイミテーションで再現されています)

こんなに優雅な中庭があって、お花を愛でていらっしゃったんですね。
朝倉義景氏の人となりを感じ、戦国時代や朝倉氏に、親しみを感じました。


トークショーの準備が整ってきたようです!!


後篇では、トークショーの模様をまとめていきますね。

youtubeで実際に聴いていただきながら、合わせてお楽しみくださいね。

また追加篇では、お昼に再訪したときの写真や、レストランなどについても載せていますので、ごらんいただけると嬉しいです。

最後までお読みくださって、ありがとうございました。

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〇開館時間


9時から17時(入館は16時30分まで)

〇休館日 


毎週月曜日・年末年始(休館日は変更になることがあります。
詳しくは、開館カレンダーをごらんください)

〇基本展示観覧料


一般  700円 高校生 400円 小中学生 200円
70歳以上 350円
団体(20名様以上)は2割引き
年間パスポートあり
「あさみゅーぱす」の有効期限は、購入日当日から1年間。
一般 1800円

〇一乗谷朝倉遺跡アクセス:


電車:JR福井駅から越美北線で15分「一乗谷」下車。徒歩3分
バス:京福バス「福井駅西口」五番のりばから62系統
  (一乗谷東郷線)で25分
自動車:北陸自動車道「白鳥西IC]」から国道158号線を福井方面へ
    約60分

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