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練習登山して来た(西丹沢)

今年の夏、八ヶ岳の赤岳に行く。
一緒に行く後輩ちゃんは登山初心者で、多分一人で山歩きの練習などしてないだろう。
連絡を取ったら、筋トレはかかしてないが、山登りはしてないとのこと。
暖かくなって来たので、練習登山に誘った。

西丹沢の檜洞丸に続く、つつじ新道を歩く。体力と時間が許せば山頂まで行こう。そう決めて、時間を測りながら、歩き出す。

西丹沢ビジターセンターの周りのキャンプ場は、ゴールデンウィークとあって、賑わっている。キャンプしている人を横目に登山口に歩いて行く。
檜洞丸の登山口は、沢と呼べるほどではないが、サラサラと水が流れるなかなか急な斜面からスタートする。その登山口を前にして、

「まぁ素敵!自然はいいなぁ。」

と後輩ちゃん。沢好きは私と一緒。途中に沢を渡るところがある事を伝えると、喜んでいる。

西丹沢はブナが多く自生している。芽吹いたばかりのブナが美しい。しばらくはそんな林の中を歩いていく。


沢から吹き上げる風のせいか、山の中はひんやりしている。
去年の豪雨で滑落した登山道、通れるように、ロープが張られているが、自然の脅威をまざまざと感じる。

小一時間歩くと、「ゴーラ沢出合」という、沢が2つ合流する地点についた。
沢好きの後輩ちゃんが、歓声をあげ

「ここに住みたい!」

という。


私もここは好き。なんて気持ちのいい場所。
この沢を渡ってから、休憩しよう。
渡れそうな場所を探す。去年の夏に来た時より、水かさが多い。

下山して来た男性が、先に渡って行くのを観察。すると足を置いた岩が、ぐらっと動き、バランスを崩して、川に落ちそうになっていた。

後輩ちゃんに、あの石は動くから気をつけて!
と声をかけ、先に後輩ちゃんがソロリ、ソロリと渡って行く。上手にフィニッシュ❗️

次に私が行く。
あの石は動くから気をつけて!と言った石に、気をつけて乗ったつもりが、バランスを崩し、次の瞬間

「バッシャーン‼︎」

きゃー!、やだー冷たーい!

落ちた!

後輩ちゃんは、ケラケラ笑っている。

靴の中まで水は入らなかったものの、靴下はビッショリ。
今日に限って、靴下の替えを持って来ていない。いつもは持って来ているのに。重たくなるし、今日は要らないな、と思って朝ザックから出したのだ。
登山の怪我や事故って、こういう風に気を抜いた時に起こる。
まー、事故というほどではなかったのが幸いだが。気をつけよう。
濡れた靴下は、さすがウール。濡れてるけど、体は冷やさない。

もう一つ沢を渡った。こちらはスムーズに渡れた。
休憩して、気を取り直して進む。
ここからは、そこそこ急な上りが続く。
鎖場あり、岩場あり、練習登山にはちょうどいい。
急な斜面を登る時の、注意点を確認して登って行く。
この道は「つつじ新道」だが、つつじにはまだ早かったようだ。まったく咲いてない。
始まったばかりの春の山は、所々に桜の花びらが散っている。
反対側の山の斜面をみると、山桜がまだ咲いている。
この時期の山は、本当にきれい。
鳥の鳴き声もたくさん響いている。動体視力のいい後輩ちゃんは、いつも生き物をみつけるのが早い。

「あ、キツツキ!」

木の幹をぴょんぴょんと登って行くクマゲラを見つけたり、お腹の黄色い鳥を見つけ、鳥の名前がわからない事を悔やんだりしながら歩く。

ゴーラ沢出合から、更に1時間登って展望台に着いた。
大きな木のテーブルで、休憩する。

後輩ちゃんに、

「久しぶりの登山はどう?」

と聞くと、自然はやっぱりいい!と言うが、頭が痛い、という。
標高は1000m弱、軽い高山病かな?無理をしないで、今日はこの展望台をゴールにした。ここでも、

「ここに住みたい。」

と言っている。たまにこうして自然の中に来ると生き返る、と後輩ちゃん、誘ってよかった。

お昼はおにぎりとお味噌汁。きのこ好きの後輩ちゃんのため、味噌汁には椎茸をトッピングして。
標高1000mのここでは、5月とは思えないほど寒い。温かいお味噌汁がありがたい。
休憩しながら近況を話し、のんびりした。

さぁ、下山。
来た道をゆっくり降りる。急な斜面は上りはいいけど、下りは怖い。足を滑らせながら、ゆっくり、先ほどのゴーラ沢出合に着いた。

また沢を渡る。
朝より川幅が広くなっている。水の量も増している。
他の登山者は靴と靴下を脱ぎ、渡っている人もいる。

何処から渡ろうか?沢の様子をのぞき込んでいたら、
先に渡って、休憩をしている女性が、

「ここがいいわよ。」


と声をかけてくれた。

後輩ちゃんは、少し頭痛が和らいだのか、楽しそうに、ビデオを撮って!という。
ビデオを撮る、私の前で上手に沢を渡り、ピースをして、ポーズを取っている。

「じゃあ、私もビデオ撮って!」

と言って、撮ってもらったビデオには、
沢に落ちはしなかったけど、へっぴり腰でウロウロしている私が映っていた。
2人でそれを見て、爆笑!

どっちが山登りの先輩か?
大丈夫か?私?

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