102 伊織さんは結局
ワタシは龍星に家まで車で送ってもらった
龍星「さくら…俺も行く」
ワタシ「龍星…大丈夫だよ。これは私が考えてやらなあかん事やと思ってる」
龍星は急にドアロックをかけた
ワタシ??
龍星「心配やねん!」
龍星が急に大声を出すのでワタシはびっくりしてしまった
でも……
ワタシ「龍星?今日はワタシと伊織さんが2人で話すべきやと思うんよ。お腹の子供の事もあるし…」
龍星は考えている
龍星「分かった…俺近くに居とくから何かあったらワン切りして?」
ワタシ「龍星…いつもごめんなさい
ありがとう…」
そう言ってワタシは1人で家に向かった
ドクンドクン
心臓が脈打つ
家の鍵を開けたら真っ暗闇の中で伊織さんがナニカをしていた
?!
ワタシ「いっ伊織さん…?」
伊織「さくらちゃん。また裏切ったね」
ワタシ「はっ?龍星から連絡あったでしょう?」
伊織「何で俺じゃない?何で2時間待てなかった?何で龍星と病院行くんだよ!!」
近くにあったお皿が割れる
ワタシの顔から血が出ているのが分かる
伊織さんにお皿を投げられたのだ
この状況の中ふとミナミさん達の
アノ光景を思い出す
ミナミさん達は2人とも幻覚幻聴のようなものがあったが攻撃的では無かった
同じクスリで何故こんなに違う?
ワタシは放心していた
ワタシ「伊織さん。電気つけます」
電気をつけたら今までのかっこいい伊織さんが違う人みたいになっていた
たった1日で
違うか…
気付いてなかっただけで伊織さんは変わっていってたんだ
ワタシが龍星との事でちゃんと伊織さんを見ていなかっただけなのだ
……
涙が溢れそうだ
どうしたらクスリはやめさせる事が出来るの?
伊織さんがこちらに向かってくる
怖い
伊織「さくらちゃん?ごめんな?ほっぺた痛くない?」
ワタシ「大丈夫です」
伊織「病院どうだった?」
ワタシ「順調みたいです」
コロコロ性格が変わる伊織さん
そして急に
伊織「えみなも子供出来たんだよね
堕ろさせるけど」
はっ?
何を言っているのだろうこの人は
ワタシ「伊織さんとの子供……」
伊織さんは悪びれもなく
「そう」
と言った
信じられなかった
あれだけ俺は変わるとか言っていたのに
ヤバい
目の前がグラグラしてきた
ワタシ「伊織…さん ワタシもう伊織さんとは……」
伊織「離婚しないよ?」
伊織「さくらちゃんどうしたの?
何かほしいの?ブランドで固めてマタニティグッズ買おっか♪」
ダメだ
話ができない
話にならない
どうしよう
どうしよう
その時ワタシの携帯が光った
伊織さんは急いでワタシの携帯を奪う
相手はお父さんだった
伊織「おっ俺が取っていい?」
ワタシは頷く
*お父さん?ナニカを察知してる?*
伊織さんが電話に出てもお父さんはワタシに代われと言われるだけで伊織さんは困っていた
ワタシは電話を取る
ワタシ「お父さん…」
父「さくらか?大丈夫か?」
ワタシは涙が出そうだったが我慢した
父「……とりあえず今からそちらへ行く。待っていてくれ」
お父さんが来る
今の伊織さんの状況を見たら怒るだろう
伊織さんは震えていた
続く
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