116 伊織さんの最期

*やっとここまできた。長くなって申し訳ない*

ピンポンピンポン

お父さんだ
ワタシはオートロックを開ける
かおるはその間託児所に預けてもらった

龍星はとても緊張していて若干震えていたのを覚えてる

お父さんは開口一番  誰だお前は
と言った

ワタシは殴られるの覚悟で
「不倫相手です」

お父さんはえっという感じだった
まさかのワタシがこんな事している訳が無いだろうと信用していたのだ

時間が長く感じるよ……お父さん

お父さんは何かを考えていた
お父さん「名前は。」

龍星はビクッとして
「○○龍星です！」
伏字なのはこの物語は全員本名なので名字は伏せさせてもらう

とりあえずお父さんは座った
何もまだ言われていない

ガチャガチャ

*伊織さんだ！*

伊織「さくらちゃん。俺本気で俺怒ってる。 あっ！……」

お父さんに気付いた伊織さんは
どうしたらいいのか分からない顔をしていた

その時
バーン!!
アタマから殴るお父さん

伊織さんはしばらく動けない
お父さん「お前を信じた俺がバカやった。後で○○会とも話すから」

伊織さんはそれでも何かを話そうとしている
伊織「さくらちゃんだって！不倫…」
お父さん「聞いたよ」

お父さんは続けてワタシに問う
*どちらが好きなのかと*

ワタシは言葉を考えながら言ったつもりである
「最初は伊織さんは明るくて頼りがいがあったけど……
ずっとずっと支えてくれてた龍星が好きです……」

お父さんは一言「そうか」
…としか言わなかった

ワタシは不思議で仕方がない

伊織さんを見ると違う部屋に行っていた
ワタシは追いかけた

伊織さんは震えた手つきで注射をしていた
ワタシ「伊織さん!!」

伊織「さくらちゃんは龍星の事が好きなんやろ？」

ワタシは黙る

そして急にドアの方へ走る

その顔は笑っているのか泣いているのか

お父さんと龍星は2人で話をしていた

*伊織さん??*

伊織さんはドアを開けてバルコニーに手をかける

走馬灯のようだった

ゆっくりゆっくり動作が動いていく感じ

ワタシは動けなかった

【ドン】

その音で我に返った

ワタシはバルコニーから下を見る

そこには旦那様であろう人の周りに人だかりができていて
*救急車ー！*
とか叫んでいた

ワタシは後ずさる
周りがグラグラしている

え
伊織さん？
どこにいったん？

お父さんと龍星は凄い音が聞こえたのでドアを開けた

気付いて下を見る

お父さん 「伊織か…？」
龍星は見ないようにしてワタシが
ぺちゃんこになって座っているのをどうにか家に入れようとしていた

龍星「さくら！さくら！聞こえる？」

ワタシは何かをぶつぶつ話していたらしい
急に立ったりして
*伊織さん帰ってくるかな？*

と、笑顔で話すワタシ

お父さんも龍星も見ていられないといった感じだった

続く