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104 お父さんと伊織さん、そしてお母さん

プルルルプルルル

伊織さんだ……

ワタシは電話を取れなかった

父「伊織か?何だ?喧嘩でもしたのか?」
ワタシは俯く
母「さくら?電話取りなさい」

ずっと鳴り止まない電話
……取らなきゃ…!

ワタシ「はい……」
伊織「さくらちゃん?今から帰るから!」

伊織さんは先程と違ってとても元気だ

何?
大丈夫なん?
えっおかしくない?

とりあえず電話を切った

お父さんもお母さんも変な顔をしている
ワタシが動揺してたらダメだ!

そして…………

ガチャガチャ
ビクッ

伊織さんだ……!

ワタシがドアを開けると意気揚々とした伊織さんが居た

伊織「すみません!お父さん!お母さんも!」

2人とも唖然とした顔をしていた

伊織さん……多分バレてるよ
お父さんもお母さんも色々な人を見てきている

父「伊織。こちらへ」
伊織「はっはい!」

その瞬間伊織さんは宙をまった

お父さんに殴られたのだ

伊織さんは黙って殴られた所を触っている

父「子供が出来たっていうのに何をお前はしている?」

お母さんは黙って紅茶を飲んでいる

ワタシはおろおろしていた

伊織さんはばれたのが分かったのか

土下座をした

母「そんな事で許されると思っているの?伊織君にはガッカリしたわ?…」

お父さんは何かを考えている
何処かへ電話をしに行った

伊織「も、申し訳ございません!」

ワタシはどうしたらいいのか分からなかった

母「1度ではないでしょう?」

伊織さんは黙って声を発せないようだ
母「伊織君のお母さんとお話させて頂きます」
伊織「親には…!母親しか居ないんです」
母「そんな事関係無いわ。現に貴方はさくらを傷つけている」

ワタシは急に自分の事も怖くなった

どちらの子か分からないのに産もうとしているからだ

急に息がしずらい

お母さんは気付きワタシの背中をさすってくれた

母「大丈夫よ?お父さんに任せなさい?伊織君が誰かからススメらるている訳だし」

その時お父さんが戻ってきた
父「伊織。分かった。ちょっと行こうか」

何処へ行くのだろう

伊織さんは黙って着いていった

お母さんは伊織さんのお母さんに電話をかける

伊織さんのお母さん……
ショックだろうな……

1人息子がこんな事になってしまって

お母さんは内容は言わず近い内に会いましょうみたいな事を言っていた


とても伊織さんだけが責められているが

ワタシも誰にも言えない秘密を抱えている

怖い……
絶対に隠しとうさないと

お母さんはワタシを見て頭を撫でた

母「大丈夫よ?さくら。」

ワタシは今までの事やワタシの悪い事も含めて大粒の涙が出てきた

ごめんなさい
ごめんなさい
ごめんなさい

お母さんはそんなワタシを抱きしめてくれた
続く

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