１７ ガサ入れ

ワタシはふと疑問に思った
刑事が物色しているのは寝室のみ
ワタシ「何で台所は探さないんですかぁ〜」
ワタシだったらもっと訳分からない所に隠すからだ
お父さんが家にそういうモノを置いておく訳がない
絶対見つからないのに何しに来たんだこの人達は

ある刑事がジッとワタシを見ている
ワタシ…何だ？
横の刑事が「秋山、俺電話、ちょっと出るわ」

アキヤマ
アキヤマって言った？
もしかして……
ミナミさんが……
秋山はふっと笑う
お父さんは「お前ら汚すだけ汚して直せよ」
ワタシはお父さんに言いたかったが
やめておいた
余計な事になるのは分かってる

尿検査をする事になった
目の前でだ
ワタシ「……」
悔しかった
ワタシのせいでこんな事になったからだ
ミナミさんは止められない
お父さん「櫻。何も考えるな。」
お父さんは分かっている

結局何も出ないので
お父さんは紙に何か書かされていた
お母さんは片付けをしている
ワタシは…
秋山と話がしたかった
【何も無いのは分かっているのにミナミさんの言葉だけでここまで動くのか？
何をしに来た？
何をしたい？】
…でもここでは話せない
ミナミさんの電話は切られている状態だ
ミナミさん……

お父さんと1人の刑事は何か話しているが聞こえない
たまにお互い笑ったりしている
？？？
仲良くなったの？
お母さん「櫻ちゃん。知らなくていいのよ。あなたは」
まだまだ小娘なワタシ
悔しかった
泣きそうだった
ワタシはもっと知らなくてはいけない
人間の愚かさというモノを
ワタシが変わるのはここからである
色々な人間達を見て話して行動に起こす

《大阪に行こう。ただ1人の人間として》

続く