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103 父、母 登場

伊織さんは隣の部屋に行き誰かに電話をしている

ワタシはお皿を黙々と片付けていた

ほっぺたが痛い

伊織さんは誰に電話をしているのだろう
ミナトさんかな?

お父さんは初め辺りで(⑮参照)
ワタシがクスリをやってしまった時3ヶ月間事務所に閉じ込める程のクスリ嫌いだ

とてもとても怒るだろう

その時

伊織「さくらちゃん…あの申し訳ないんやけど俺ちょっと出ていかなあかん」

ワタシ「伊織さん…?お父さん来るのに…」

逃げる気だ

でも、もう何だかどうでも良かった

ワタシ「サヨナラ」

伊織「?! さくらちゃん?違うよ?!
帰るから!」

ワタシは何も言わなかった

でも伊織さんはソワソワしている
落ち着きが無い

ワタシは無視をして部屋の掃除をした
伊織「さくらちゃん!俺大丈夫だから!お父さん来たら帰るから!」

ワタシはとりあえず頷いた

どうせ帰ってこないだろう
その方が良いのかもしれない

伊織さんは急いで出ていった

ワタシは龍星に電話をかける
トゥルル…
龍星「さくら?大丈夫か?」
ワタシ「龍星?ずっと待ってくれてごめんね?お仕事あるんでしょう?」
龍星は申し訳なさそうに
「ごめんな?さくら。仕事終わったらまた来るから…」
ワタシこそが申し訳なかった
龍星は多分あまり寝ていない
スカウトの仕事もあるし、大学も行っているのか気になる

ワタシ「龍星?ゆっくり休んで?
今日は家族が来るから大丈夫だよ!」
龍星は*家族*という言葉を聞いてちょっと安心していた

*いつもいつもありがとう龍星*

そして……

ピンポーン

お父さんだ!

ワタシは急いで玄関のドアを開ける

お父さんはワタシの顔を見て
父「何だ。その傷は」
ワタシ「手を滑らせちゃって」

と、その時後ろからひょこっとお母さんが顔を出した
ワタシ「えっお母さん?」
母「さくら元気??あら?1人?」

父「伊織は?」

ワタシは黙ってしまった
お父さんにはいつも見透かされる

言っていいものか悩んでいた

母「さくら?正直に答えなさい」

お母さんまでもが珍しく真剣な顔をしている

バレているのではないのか

ワタシ「2人ともとりあえず入って?何飲む?」
父「コーヒー」
母「紅茶がいいわ」

何だか不思議な気分だった

とりあえず伊織さん関係の話を逸らす
ワタシ「お兄ちゃんとお姉ちゃんは元気?」

母「お兄ちゃんはまだ反抗してるけどたまに連絡くるわよ〜
お姉ちゃんは……

また薬で捕まったわ…。」

ドクンドクンドクンドクン

ワタシは手が震えてくる
結局そういう系の話になるのか

父「さくら。お前は大丈夫なのか」
母「そうよ!あなたが1番心配だわ?」

ワタシ「子供が出来ました……」

2人ともびっくりしている
そして喜んでいた

父「とりあえず伊織が帰ってくるのを待つか…」

伊織さん帰ってこないで……!

この状況でバレるとややこしくなる

と、その時ワタシの電話が鳴った
続く

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