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「怪しいものではありません」P食堂の仕事

月曜日の赤坂店にて。
初めて来店した方に、プールナ食堂のことを説明するのは実に難しい。

いま、なぜか頭の中で「ガリレオ」の福山雅治が「実に面白い」と言っているが、面白いくらいに難しいのだ。

「インスタ見てきました。インスタで時々流れてきて気になっていました」という方なら、説明も早い。

しかし、通りがかりでたまたま入ってしまった方に説明するのは、誤解が生じないように苦心する。

「無料の食堂です、困っている人も食べられるように。寄付制です」
「インドのお寺がコンセプトです」「精進」
「にんにく玉ねぎ抜き」
「皿に数種類盛って出てきます」
その方の急ぎっぷりを見ながら語順も変えて説明する。

肉目当てらしき人には最初から「今日は精進料理です」と説明すると、「じゃいいです」と帰るか「食べてみますね」と挑戦する気になるか、2者択一なのでわかりやすい。食べる気になった人には、「ニンニクも使ってないんです」といえば「ほぉー」と関心したりで、何を説明してもアトラクションのように楽しんでくれる。

肉目当てでない方の場合、一通り説明すると、不審な表情をする方、「無料でやっていけるの?」と心配する方、「ゴールデンテンプルみたいな?」とアシュラムや無料の食事提供に詳しい方など反応は様々である。

さて。
Deepavaliの月曜日、赤坂店にふらりと入ってきた女性が「1000円で食べられるものありますか?」と聞く。
食事中の客人がこっそりとうなずいているのを見た。店のことを教えてあげたそうな顔をしていた。
新規来店の彼女に「お店は初めてですか?」と聞けばそうだと言う。そこで「無料であり、寄付制です。毎週月曜日だけ」といった旨を矢継ぎ早に説明するのだが、「無料」と言ったあたりで、彼女の右足が後ずさりしたのを見た。
あぁ、そういえば新興宗教絡みの事件で、「寄付」という言葉そのものが「ボッタクリ」を連想させて嫌われてしまったのかもしれない。説明するほどに彼女の足はジリジリ下がっていき、「いまはそういうの。。。じゃ」といなくなってしまった。

いまはそういうの、、、

冷静に考えると、まったくインド文化に触れたことがない人には宗教を勧誘しそうに見えるのかもしれないな。
でも、「勧誘しません」なんて看板に書いたら、怪しすぎる。「勧誘しないので、まず食べてけろじゃ」方言で言えばマイルドになるのか、いや、ならないな。

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