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交流分析

 交流分析とは、1950年代にアメリカの精神科医である、Berne,E.により提唱された理論及び治療技法である。人には誰にでも、親(Parent)、大人(Adult)、子ども(Child)の3つの自我状態があるという考えに基づく。そして、親(P)を批判的な親(CP)と養育的な親(NP)、子ども(C)を自由な子ども(FC)と従順な子ども(AC)に分けた。この5つの自我状態(CP、NP、A、FC、AC)のそれぞれに対して、どの程度の心的エネルギーを配分しているかを測定し、グラフに表したものをエゴグラムという。このエゴグラムは、Berne,E.の弟子のDusay,J.M.によって考案された。

①親の自我状態・・・人を育てたり、面倒をみるときの態度であり、自分の親から受けた態度を知らず知らずのうちに取り込んで再現する。

②大人の自我状態・・・物事を冷静に見つめる態度。問題解決に際して、持てる能力や環境を活用して何とかしようとする姿勢。

③子どもの自我状態・・・子ども心。楽しむ場面や叱られる場面などでは、子どもの頃の体験を無意識のうちに想起し、その時のように感じ、考える。

 この3つの自我状態のどの状態で相手と接しているかで、その人間関係が決まるというのが、交流分析の基本的な考えである。

交流分析では、人間同士の関わりである交流の種類を3つに分けている。 (1)相補交流:働きかけている自我状態と相手の自我状態が一致しており、相手もこちらに働きかけている自我状態とこちらの自我状態が一致している状態を相補交流という。
(2)交差交流:それぞれの働きかけている自我状態の方向が平行にならずに交差している。
(3)裏面交流:表面的に出ている態度(社交レベル)と、その裏に隠された気持ち(心理レベル)が一致していない。

交流分析では対人関係について3つの原則を示している。
(1)第1原則:交流が相補であるとき、やり取りが延々と続く可能性がある。
(2)第2原則:交差交流の場合、結果としてやり取りが中断し、それを再開するためには、片方、或いは双方が自我状態を移行させる必要がある。(3)第3原則:裏面交流の結果は社交レベルではなく、心理レベルで決定される。


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