今月スポンサー営業を受けてきて思った話
皆様こんにちは
久々に筆を執っております。
さて、今回は我々がeスポーツチームを発足してから来週(21年3月24日)で1ヶ月になるということで、eスポーツチームに関わる何かを発信できないかと思っております。
我々のeスポーツチームへのスポンサーなどについては、発表がまだまだ先になりますが、私や株式会社chouetteへスポンサーの依頼が2021/02/24から2021/03/18の時点で41件ありました。
この41件のスポンサー営業について、1件も成約に至っておりません。
これらの営業メールの大まかな特徴とお断りした理由を5つほどピックアップして発信できればなと思っております。
はじめに
そもそも、3週間で41件もスポンサー営業が来るのは初めての出来事で驚きました。
どうしてこんなにも来たのかな?
それは考えるまでもなくあのプレスリリースです。
このプレスについて、多くの方々に見ていただき、私の周りの社長や会社の役員、更にはとある大手のeスポーツ関係会社の方からも応援のメールや電話を頂きました。
皆様、本当にありがとうございます。
この場を借りて、改めて御礼申し上げます。
さて、このプレスリリースを出してからスポンサー営業以外を合わせると100件近いメールを頂き、プレスリリースの偉大さを知った今日このごろ。
PRTimes様には大変感謝申し上げます。
その中で、約4割のメールがスポンサーになってくださいという営業メールでした。
それでは、本題に入ります。
競合であるところにスポンサー営業?
私個人の最近の方針で、興味を持っていただいた敬意として、営業メールは最初から最後まで時間のあるときはできるだけ目を通す。
ということにチャレンジしており、100通程きたメールを時間を見つけて私が対応する部分は読んでおりました。
読んでいくうちに思ったんです。
「あれ、営業来てるeスポーツチームと我々って競合よな?」
同じ土俵に立つ者同士、お互いがお互い協力し合うのは必要ですが、競合に対してスポンサーって聞かなくないですか?
極端な話、阪神タイガースが読売ジャイアンツ運営母体の読売新聞グループ本社にスポンサーになってくれって営業するなんてことありえなくない?
ということを思うようになりました。
これはディスってるわけでもなんでも無いんですけど、
通常、他のチームにお金かけるくらいなら自分のチームにお金かけるよね。
という思考回路になり、ただ宣伝するだけだったり、eスポーツの発展を目指します! という単語が出てきた瞬間お断りBOXに突っ込む作業に入るようになりました。
次でも話す「相乗効果が得られそう」というチーム以外はすべてお断りすることにしたのです。
1-chouetteGamingにメリットがあるか。
2-株式会社chouetteに足りない部分を補完してくれるか。
3-株式会社chouetteにメリットがあるか。
4-株式会社chouetteやchouetteGamingがやろうとしていることとマッチしているか。
今までの判断基準は2-と3-だけだったんですけど、自社チームを優先的に考えるのは自然ですので、優先順位としてこのような流れとなりました。
相乗効果がないと見られるメールが多数
前述の通り、よくあるありきたりなスポンサーメニューはお断りしました。
eスポーツチームにありきたりなスポンサーメニューとしは以下の通り
・TwitterなどのSNSで宣伝します
・イベントをやるので、そのイベントの配信で宣伝します
・HPやSNSヘッダーにロゴを載せます
・ユニフォームへのロゴ印字
→これに関してはコロナ禍の今パンチが薄すぎる印象
ざっと出したところこの4つが主に多くある印象です。
正直、数字を持っていればスポンサー費用を出してもいいのではないか。
こういう意見が社内でも上がってきたことがあります。
が、弊社の方向としてこういう結論になりました。
「数字を持っているのであれば、協賛ではなく協業の方が相乗効果あるんじゃないだろうか。」
ということ。
いわゆる「コラボ」ですね。
そのコラボ方法はどのようにするのかは、そのeスポーツチームに何ができるのかによって変わってくるのでここで断言できませんが、協業することによって爆発的に当チームも該当するチームもWIN-WINな関係になれるのではないかと考え、数字だけだったらお断りするというマニュアルが制定され、これを運用することになっています。
私個人の感想で、数字だけを見てお金を出すのであれば、もう少しお金を出して有名媒体にCM出した方が効果があると思っております。
それこそTwitterやYouTube、極端な話TVCMなどです。
今のeスポーツでは、数字だけで協賛金を出してくれるところは少ない。
自団体の長所やリソースを使い、スポンサーをするメリットをどれだけ出せるのかが重要になってきます。
数字のメリットだけでは、今の大手eスポーツチームに並ぶかそれ以上の数字を持っていないのであれば、すでに数字を持っている大手eスポーツに協賛するという考えになりますから、プランを練る方がいいでしょう。
競合他社がすでにスポンサーに入っている
我々の場合は「eスポーツカフェの運営」をやっております。
同じeスポーツカフェを運営している企業がスポンサーの場合、競合関係にあるので、我々がスポンサーに入りにくいというのは火を見るより明らか。
様々な要因が絡んでくると、思いも知らないトラブルが発生し、対処できないとなると我々ではなく提案いただいたeスポーツチームが崩れてしまうことがあるので、お断りしております。
どういうことがあるのか?
例えば、競業避止義務という言葉をご存知でしょうか。
競業避止義務とは、労働者が所属している、若しくはしていた企業と競合に値する企業や組織に属したり、自ら会社を設立したりといった行為を禁ずる義務のことです。
A社の社員が弊社にeスポーツチームを通して興味をもつようになり、弊社へ採用面接を応募して採用されてしまい、その結果A社のリソースを持ったA社社員は、そのリソースを弊社で発揮することになるでしょう。
eスポーツチームに対してA社が協賛しているということを弊社が知らず、経歴を見た結果即戦力になるだろうからと言うことで採用し、A社も弊社が協賛していることを知らないとします。
弊社が成長した時、A社がA社のリソースが使われていると感じた時、A社が競合他社である弊社に利益を取られてしまいました。
結論を言うと、A社社員が競業避止義務違反になるのですが、これを引き起こす起因となったeスポーツチームが責められるのは必然でしょう。
もちろん、全てが競業避止義務違反になるのであれば、職業選択の自由に反することになるので、A社を退職したからと言って弊社に就職することができないというわけではなく、A社社員の立場など様々な要因によって判断されることになるので、一概に言えません。
ただ、競業避止義務違反を引き起こすかもしれないというだけでなく、eスポーツチームのリソースを競合他社へ割くということになりますから、A社からしたら面白くありませんよね。
「あれ、うちに対して○○をしてくれるって言ってたけど、競合他社に同じことしたら向こうのリソースだとうちのお店潰れちゃうじゃん。」
と考えてもおかしく有りませんから。
提案先のことを理解していない
皆様は恋愛したことありますか?
これはあくまで持論ですが、相手と恋人関係になりたい時は相手のことを客観的によく知ることから始めるのが定石と考えています。
これは何も恋愛だけではなく、人全般に言えることです。
仲良くなりたいのであれば、その人のことをよく知ることから始める。
また、これは人だけでなく、企業にも当てはまります。
法人とは、法的に人格が認められている団体のことを言いますが、法人を経営しているのは誰かというと「人間」です。
人間が経営しているんですから、法人に対して行うことも人間に対して行うことと同じことをしないといけません。
とある企業様がとある会議でこういってくださいました。
「我々はchouetteと取引をしたいのではなく、鶴岡社長と取引をしたい。」
つまり、ビジネスは人対人。
BtoBであってもこの事実はゆるぎません。
前置きが長くなりましたが、これを理由にお断ったケースのメール文面を少しだけご紹介します。
「当団体は関西地方を盛り上げるために結成されたチームです。貴社に協賛していただくことで、更に関西を盛り上げるための取り組みを行えます。」
→弊社は東京都豊島区にある会社ですので、相乗効果を見込めません。
「貴社の行っているeスポーツスポット事業を関西で実施するイベントにて広告宣伝させていただきます!」
→eスポーツスポットの住所見ました? 豊島区のお店ですよ?
「eスポーツのことならなんでもやってくれると思いメールしました。」
→一応営利企業ですので、お互いのメリットがないと話ができません。
「当チームに協賛していただくと、貴社が行っている事業を宣伝します。その後は貴社の努力次第ですが、広告効果はあると思われます。」
→返す言葉もございません。
さて、いかがでしょうか。
改めてメールを読み返して書いておりましたが、自分のことを優先的に語っているということが読み取れると思います。
もちろん、自分のことも含めて話をしないと、伝わらない部分があるので書いても大丈夫ですが、相手を尊重しない文面は嫌われます。
営業先は異性を思って接する。
これは私が営業を行っていく中で重要視しているところでございます。
また、メールの返信についてよく読んでいないと思わせるような内容を送られてきた場合は、今後の取組に関してコミュニケーションエラーが発生する可能性が高いのでお断りしております。
これも、相手の言っていることを理解しようとしていないと思ってしまうので、仮に理解できなかったとしたら質問するようにしましょう。
資料を用意していない
提案する時、全てメールで完結すると思っている人がいます。
まず、他社はどうかわかりませんが、弊社では提案資料がない場合は1000%お断りメールを送っております。
どうしてか?
資料を作れないということは、今後取り組みをこなっていく中で、我々への提案や企画進行にわかり易い内容が書かれた様式で提示してもらえない可能性があるからです。
試しに、ここでメールだけで完結させようとした提案内容と、同じ内容を提案資料に落とし込んだ内容を比べてみましょう。
【メール】
株式会社 ○○
広報部 広報課
課長 梟太郎 様
お世話になっております。
株式会社chouetteの鶴岡でございます。
早速の返答ありがとうございます。
弊社からの提案内容としては以下の通りでございます。
㈰宣伝広告
弊社は東京都豊島区にあるeスポーツスポットでイベントを実施しており、
イベントの動員数はオフラインとオンラインをあわせて○○○○○人です。
これだけの人数に対して、広告効果が期待できます。
㈪ユニフォームへ貴社ロゴの印刷
オンライン大会やオフライン大会の他、普段の配信にも
弊社所属の選手がカメラ配信にてユニフォームを着用するため、
○○万人へ貴社のロゴを露出させることが可能でございます。
㈫マーケティング
弊社はAIによるマーケティング技術を有しており、
様々なデータを独自のシステムで収集し、そのデータを利用して
貴社のKGIとKPI達成に必要な材料の提供を行います。
以上となります。
何卒、ご検討いただけますと幸いでございます。
【資料】
メール文に関しては、読みやすいようにここに書きましたが、先方のメールツールの設定による差異はあるものの、実際には文字が詰まって見えます。
私の設定では、以下の画像のような見え方をします。
読みづらいなら設定変えればいいじゃない。
と、よく部下に言われるのですが、私はわざとこの大きさにしています。
まだ、この書き方は箇条書きにしているので見やすい部類ですが、これらの内容を箇条書きしないで送ると見づらいというのはわかると思います。
前述の通り、こういうところに気配りができないのであれば、相手のことを思っていないという印象を受けるので、読まずにお断りをしております。
さて、メール文で送るより、資料を見せたほうが視覚的にわかりやすいのは見てもらってわかってもらったと思います。
しかし、資料には詳細な内容を伝えづらいという側面もあります。
これらに関する営業の方法については、別の機会にご説明いたします。
テンプレについては高額ではありますが販売しているので、ぜひともご活用ください。
アップデートしたらその度にお知らせします。
また、テンプレで困ったことやこういうテイストでテンプレを作ってほしいということがあれば、いつでも私のTwitterまでお知らせください。
また、提案資料をくださいと言っているのに「提案内容はこちらになります。」とメールを返信すると「あ、メール文ちゃんと読んでないんだな。」と思ってしまいます。
資料がないのであれば「大変恐縮ではございますが、資料を用意しておりませんので、作成する時間をいただけませんでしょうか。」若しくは「大変不躾なお願いで恐縮ではございますが、資料の準備をしておりませんので、提案内容をメールにて送付させていただきます。お手数をおかけして申し訳ございませんが、一読いただけますと幸いでございます。」と書いておくといいかもしれません。
よくこれを指導すると「え、ここまでするんですか?」と言われます。
はい。これが日本の文化であるので、初対面の人にはここまで丁寧にやっていて損はありません。
逆に、この丁寧さがかけていると、受け手によっては「あぁ、ちゃんと読んでくれていないから関わるの辞めとこ」ということになります。
たまに「アメリカだとそんなのありえないですよ!?」って言ってくる人いますけど、そういう人は「郷に入れば郷に従え」という文字を大学ノート1冊分写経して下さい。
若しくは、アメリカの企業へご提案してください。
おまけ1
さて、5つほど挙げましたが、ここでおまけを2つほどお話します。
メールにおける間違った単語や日本語の使い方をしている人多すぎだなぁっと感じており、この場を借りて伝えたい。
これについては大人も勘違いしている部分もあるので、特段これだけでお断りしているわけでは有りませんが、これからビジネスをしていく中で知っておいて損はありません。
◆御社
メール文などの書面にて「御社」を表現するときは「貴社」を使用します。
◆間違った敬語を使う
「ご回答致します。」
これ、どこが間違っているかわかりますか?
私もたまに言っちゃうんですけど「致す。」は「する。」の謙譲語なので、「ご回答」と「致します。」で二重敬語になります。
「ご回答します。」「回答致します。」「回答を申し上げます。」は自然な敬語として成り立ちます。
◆言葉を使う場面を間違えている
様々な場面で言葉を使うと思うんですけど、相手との関係を見誤って使っている人が多数見受けられます。
シーン別に解説しましょう。
○挨拶
「お疲れさまです。」
これは同じ組織やチームの人間に使う言葉です。
「ご苦労さまです。」
これは目下の人に使う言葉なので、チーム内でも目上の人には使いません。
「お世話になっております。」「いつもお世話になっております」
社外の方へはこの挨拶を使いましょう。
○謝罪
「失礼いたしました。」
実はこの言葉自体に謝罪の意味が込められているわけでは有りません。
強いて言えば「サーセン」を丁寧に言ったようなものです。
「大変申し訳ございません。」
重大なミスをしてしまった場合はこちらを使いましょう。
○感謝
「大変勉強になりました。」
何かを教示してもらった際に使う言葉です。
「参考になりました。」
自分の考えの足しにしますね!程度の言葉ですので、目上に人に使うと失礼になる場合があります。
「ありがとうございます。」
シンプルに感謝を述べるときに使います。
○同意
「了解しました。」「わかりました。」
これは、同等の立場若しくは目下の人へ使う言葉です。
「かしこまりました。」「承知しました。」
目上の人に同意を示す場合はこちらを使用しましょう。
◆目上の人に対して以外に失礼な言葉を直してみる
「〜してもらってすみませんが」
・恐れ入りますが
・お手数をおかけしますが
「そうですか」
・作用でございますか
「その通りです」
・仰る通りです
「ご一緒します」
・お供させていただきます
・ご一緒させていただきます
「久しぶりです」
・ご無沙汰しております
おまけ2
お断りメールを送ったところで、返信が無い人が多く見受けられます。
更には、Twitterのフォロー解除やブロックまでしてくる人もいます。
今後eスポーツ業界で一緒に手を取り合っていくかもしれない仲なのに、今、お互いの希望が合わなかっただけでブロックするのは勿体ない。
目先のことだけでなく、もっと先の未来のことも考えて行動しておかなければ、得られたかもしれないチャンスを逃してしまうかもしれません。
ビジネスメールは1往復半はします。
断られた場合は「ご検討いただきましてありがとうございました。また、貴社と取り組みができる機会がございましたら、そのときは改めてご商談させていただければと存じます。何卒よろしくおねがいします。」というような内容を返信しましょう。
そうすると、こちらも協賛ではないけれど、その他の取り組みで関われることがあれば話を進めてみよう。
という気持ちになります。
逆に言えば、これがないと一生と言っても過言ではないくらい取り組みを行わない可能性があるということです。
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