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eスポーツチーム運営準備をしている中で気づいたこと

この記事を読んでいるということは、eスポーツチームを運営したい若しくはeスポーツチームを運営している人だと思います。

eスポーツ関連の事業をやっている私ですが、eスポーツチームを運営するというのは非常に難しいものということが身にしみてわかってきました。

というのも、私が経営している株式会社chouetteは今後eスポーツチームを運営する予定がありまして、この運営準備を進めている中で様々な気づきを得ることができました。

そこで、今回はこの気付きを皆様に共有するとともに、eスポーツの発展につながればなと思っております。

eスポーツチームをただ作るだけであればお金稼ぎをしなくてもいいので、この記事は全く役に立たないと思います。

eスポーツチームとして食っていく気持ちがあるのであれば、この記事はあなたの最高なパートナーとなることをお約束します。

1.そもそもeスポーツって何?

「そもそもeスポーツってなんすか?」

という人やeスポーツというものを改めて認識するために説明します。

eスポーツとは日本語で「電子競技」と呼ばれるもので、俗に言う「対戦ゲーム」を使用したスポーツのことを指します。

一般社団法人日本eスポーツ連合では、以下の4つの要素を満たしたゲームであれば、それはeスポーツタイトルであると定義しており、あくまで日本でeスポーツとして認められるための一つの基準として採用されています。

✦✦✦

✦ゲーム内容に競技性が含まれている
✦ゲームとして3ヶ月以上の運営・販売実績があること
✦今後もeスポーツとして大会を運営する予定があること
✦eスポーツとして、大会の興行性が認められること

✦✦✦

自宅でやるだけであればただの対戦ゲームですが、そこに大会や興行性が認められることによってeスポーツというジャンルに分類されると日本eスポーツ連合は定義しているわけです。

1-1.日本におけるeスポーツの市場規模は?

eスポーツチームを運営したいということは、eスポーツチームとしてプロを目指したいという人が大半を占めていると思っております。

競技、タレント(ストリーマー)など、様々なeスポーツシーンを用いて稼ぐことは十分に可能ですし、そうやって稼いでいる人たちが現在たくさんいることも事実です。

そこで、実際にeスポーツはどれくらい稼げる市場なのかをここで説明いたします。

そもそも、市場規模というのはどういうものなのか。

市場規模とは『ある事業分野における市場の大きさ。その市場で商取引が行われる見込みの総額』のことです。

つまり、これから説明する数字は「eスポーツにおける市場の大きさ。eスポーツ市場で商取引が行われる見込みの総額」を表すことになります。

日本の市場規模はKADOKAWAgamelinkageによると以下の通りです。

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2019年は約61.2億円となり、ことは約76.3億円になる見込みです。

2023年には約153.4億円となり、規模の成長は右肩上がりとなります。

また、eスポーツのファン数では以下の通り

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2019年は約483万人となり、それが2023年には約1,215万人となります。

圧倒的ファン数の増加ですよね。

さらに、この市場規模の項目割合を見てみましょう。

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約8割がスポンサーによるものなんです。

その他はアイテム課金や賞金、観戦料、グッズ販売、著作権許諾、放映権が含まれておりますが、これらはある意味純粋なeスポーツの市場規模を支えている項目ですが、圧倒的にスポンサーが市場の多くを占めています。

eスポーツの歴史などについては、話をすると長くなるのでWikipedia先生に聞いてみてください。

2.eスポーツチームとは?

その名の通り、eスポーツをする集団のことです。

プロeスポーツの仕組みなどについては、こちらの記事にて簡単に説明しているので、こちらも合わせて御覧ください。

ここではもう少し詳しく踏み込みます。

お金を稼ぐためにはどうしたらいいでしょうか?

さて、考えてみてください。

答えは簡単で「売上を出す」ことです。
ここは敢えて売上という言葉を使いましたが、個人が稼ぐのであれば就職して雇用主から給与を貰うというのも稼げますよね。

話を戻して、売上を出すにはどうしたいいでしょうか。

しかも、eスポーツチームが売上を計上する方法です。

もう頭のいい人なら察しがついていると思いますが、スポンサーを獲得することに心血を注ぐということです。

なぜか?

その理由はこの画像をみてください。

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スポンサーが75.7%です。

全体の約8割がスポンサーによって市場規模を構成しているということは、本記事の1-1.を読んでいる方であれば理解できていると思います。

2019年の約61.2億円の内75.7%がスポンサーです。

つまり、約46.3億円がスポンサーです。
家が何軒買えるんですか?

このデータを見て分かる通り、eスポーツチームが直接操作が可能であろう「グッズ販売」「チケット販売」「著作権許諾」「放映権」をフルに活用するより、これらは今後の経営戦略の一つの道具として利用する程度に位置づけ、スポンサー営業によるBtoBビジネスとして展開する方法が分母が大きくとれるということです。

このスポンサー契約をどれだけ多く締結して、売上を伸ばしていくのかを考えることが一番手っ取り早くeスポーツチームが売上を伸ばせる方法です。

そもそも、eスポーツだけに限らずスポーツ事業というのはそういうものなので、eスポーツの記事や情報も大切ですが、従来の成功しているスポーツ産業の情報もチェックしておく必要があります。

3.㈱chouetteがeスポーツチームの運営準備で気づいたこと

現在、eスポーツチーム運営に向けて多くの準備を行っているところです。

実は、チーム名も決まっていて、選手もほとんど決定、勿論参入するゲームタイトルも決定しております。

チーム名や選手、ゲームタイトルなどの基本的な情報を決定させることについては当たり前の話なので、本記事では触れないようにします。

要望があれば、チーム運営事業が一段落したときにnoteに記載しようと思っております。

さて、今回eスポーツチームの運営準備を始めたのは3ヶ月ほど前の2020年9月中旬の話でした。

この時期からeスポーツチーム運営準備を初めて、準備の中で様々な障害がありつつも、なんとか今年中には解決できそうなイメージが出てきており、2月には活動開始の発表ができるようになります。

そんなeスポーツチーム運営準備の中で気づいたことは大きく分けて3つ

○スポンサーがeスポーツにもとめているものが良い意味で意外であること
○選手とチームは対等な立場になってはいけないということ
○チームの運営方針には遊び心が必要であるということ

これらを詳しく解説していきます。

が、頭のいい人であれば私の考えていることが少しだけ垣間見えるかもしれませんので、ここから有料となります。

4.スポンサーが求めているものがいい意味で意外

え? マジですか?
というような印象を受けたのを覚えています。

今回の運営準備の中で、スタートダッシュがとれるように様々な企業へ協賛営業をかけて回りました。

最初私は「これだけ多くの実績を持っている選手が入ってくるので、協賛していただけませんか。協賛プランはこちらになります。」と、要約するとこのような営業をかけていました。

これに対して先方は「正直eスポーツ選手の実績とかはなくてもいい。」と返してくるじゃないですか。

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